パートやアルバイトは、学生や主婦など幅広い層にとって身近な働き方です。正社員とは異なり、自分の都合の良い時間で働けるという点が最大の魅力です。その一方で、労働者として不利な地位に置かれやすいという側面もあり、給与の不払い、サービス残業などブラックバイトと呼ばれるものもあります。
本記事では、パート・アルバイトの人口、特徴、種類、メリット・デメリット、パートタイム・アルバイトのなり方、ブラックバイトの特徴について解説していきます。
パートタイム労働者(アルバイト)とは
パートタイム労働者(アルバイト)の定義
パートタイム労働者(パート・アルバイト)は非正規雇用に区分され、1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者を指します。
契約社員との違い
パートタイム労働者(アルバイト)とは、雇用期間の定めがある非正規雇用で、労働に従事する企業に直接雇用されるという点は契約社員と共通であり、法律上は契約社員との違いはありません。
一般的には、フルタイムで勤務し、月給制で給与が支給されるのが契約社員、パートタイムで勤務し、時給制で給与が支給されるのがパートタイム労働者(アルバイト)と捉えられています。
パートとアルバイトの違い
パートとアルバイトに法律上の違いはありません。どちらも非正規雇用で、正社員と比べて1週間の所定労働時間が短い労働者であるという点に変わりはありません。
それぞれの言葉が持つイメージや慣習によって使い分けが行われています。一般的には以下のように捉えられています。
- パート:主婦や主夫など、家事や育児と両立しながら、長期間働く
- アルバイト:学生やフリーターなど、比較的若い世代が、短期間働く
上記はあくまで一般的な使い分けであり、企業によっては考え方が異なる場合があります。また、それぞれの業務内容、責任に関する考え方も企業によっては異なります。そのため、応募する際には、それぞれの会社の募集要項をよく確認することが大切です。
無期転換ルール
有期の労働契約を更新して5年を超えた場合、労働契約法の18条に基づき、パート・アルバイトには「無期雇用に転換する権利」が発生します。これを無期転換ルールと呼びます。
無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。この場合、無期転換の申し込みを企業は断ることはできません。
契約期間が1年の場合、5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年の場合、1回目の更新後の3年間に無期転換の申込権が発生します。
パート・アルバイトの人口
全体
下図は2002年からの雇用形態別の就業者数の推移を示しています。
2023年時点のパート・アルバイトの人数は、1,489万人と雇用形態の中で2番目に多い分類となっています。2002年時点では1,053万人だったパート・アルバイトの数ですが、400万人以上増加しています。
割合で見ると、2002年時点では21%程度のパート・アルバイトの割合ですが、2023年には26%に増加しています。上記のデータの通り、労働者全体の数も増えていることから、今まで仕事に出ていなかった主婦層や定年退職後のシニア層が、パート・アルバイトとして就業するようになったと考えられます。
男性
男性の就業者に関しては、2002年時点では229万人であったパート・アルバイトの数は、2023年平均では354万人と100万人以上増加しています。
割合で見ると、2002年時点では8%程度のパート・アルバイトの割合ですが、2023年には12%に増加しています。男性に関してもパート・アルバイトで就業するということが一般的になっているということを示しています。
女性
女性に関しては、2002年時点では825万人だったパート・アルバイトですが、2023年には1,134万人に増加しています。男性よりも3倍近く多くなっています。これは主婦層が中心としてパート・アルバイトとして働きに出ていたということが考えられます。
割合で見ると、2002年時点では40%程度のパート・アルバイトの割合ですが、2023年には42%に増加しています。
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特徴
雇用関係
パート・アルバイトは、正社員や契約社員と同様に企業と直接雇用契約を結び、勤務先企業の指揮命令に従って労働を行います。指揮命令の内容は企業によって異なりますが、労働契約や就業規則で具体的な規定が定められていることが一般的です。
正社員や契約社員の業務内容の違いは、法律で明確に定められているわけではありませんが、一般的には正社員のサポートなど補助的な業務であることが多いです。また、責任も限定されており、意思決定や管理業務に関与することは少ないです。加えて、未経験者でも比較的容易に遂行できる業務が多いです。
雇用期間
パート・アルバイトの雇用期間は、雇用契約で定められています(有期雇用契約)。契約期間は、数ヶ月から数年までと企業や職種によって様々です。契約期間満了時には、契約更新、雇用終了、無期雇用への転換などの選択肢があります。
有期労働契約の期間は、原則として上限は3年です。なお、専門的な知識等を有する労働者、満60歳以上の労働者との労働契約については、最長5年までの契約が可能です(労働基準法14条)。使用者は、有期労働契約によって労働者を雇い入れる場合は、その目的に照らして、契約期間を必要以上に細切れにしないよう配慮しなければなりません(労働契約法17条2項)。
パート・アルバイトの雇用契約は、契約締結時にその契約の更新の有無を明示しなければいけません。有期雇用契約を更新する場合があると明示した場合は、更新するまたはしない場合の判断基準を明示しなければいけません。
(参考:厚生労働省「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」)
更新の有無の明示の例
- 自動的に更新する
- 更新する場合があり得る
- 契約の更新はしない 等
判断基準の例
- 契約期間満了時の業務量により判断する
- 労働者の勤務成績、態度により判断する
- 労働者の能力により判断する
- 会社の経営状況により判断する
- 従事している業務の進捗状況により判断する 等
前述の通り、有期の労働契約を更新して5年を超えた場合、労働契約法の18条に基づき、契約社員には「無期雇用に転換する権利」が発生します。これを無期転換ルールと呼びます。無期転換後は、正社員と同様に期間の定めのない雇用契約となります。
使用者は、有期労働契約※を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければなりません。使用者は、雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければなりません(参考:厚生労働省「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について」)。
※有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続している労働者に限る。なお、あらかじめ契約を更新しない旨が明示されているものを除く
「雇止めの理由」は、契約期間の満了とは別の理由とすることが必要です。
雇止めの理由の例
- 前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
- 契約締結当初から、更新回数の上限を設けており、本契約は当該上限に係るものであるため
- 担当していた業務が終了・中止したため
- 事業縮小のため
- 業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
- 職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたこと等勤務不良のため 等
労働時間
パート・アルバイトは正社員や契約社員よりも労働時間が短いことが特徴です。
具体的には、1日数時間、週3〜4日といった働き方が一般的です。パート・アルバイトの2023年時点の月間所定労働時間の平均は約77.1時間、残業時間の平均は2.2時間です。
残業に関しては、正社員の残業時間が13.8時間であることから、かなり少ないことが分かります。
また、パート・アルバイトに関しても残業代を支払う必要があります。割増賃金が支払われるのは以下のケースです。
ケース | 割増率 |
---|---|
法定労働時間を超えて働く場合(時間外労働) | 25%以上 |
法定休日に働く場合(休日労働) | 35%以上 |
午後10時~午前5時の間に働く場合(深夜労働) | 25%以上 |
時間外労働+深夜労働 | 50%以上 |
1か月60時間を超える時間外労働 | 50%以上 |
休暇
パート・アルバイトについても正社員や契約社員と同様に、休日は週に1日以上の休日に加えて、有給休暇制度があります。
6ヶ月以上継続して勤務を行い、全労働日の8割以上を出勤していれば、所定労働日数(時間)に応じて年次有給休暇が与えられます(比例付与)。週所定労働時間が30時間以上の場合、有給休暇の日数は正社員と同様に勤続年数に応じて付与されます。
多くのパート・アルバイトの週所定労働時間は30時間未満なので、下表の30時間未満の行に基づき、算定されます。たとえば、週の所定労働日数が3日、または、年間の所定労働日数が121~168日の場合、6ヶ月の継続勤務で5日の有給休暇が付与されます。
週所定労働時間 | 週所定労働日数 | 年間所定労働日数 | 勤続年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6ヶ月 | 1年6ヶ月 | 2年6ヶ月 | 3年6ヶ月 | 4年6ヶ月 | 5年6ヶ月 | 6年6ヶ月 | |||
30時間以上 | - | - | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
30時間未満 | 5日以上 | 217日以上 | |||||||
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10 | 12日 | 13日 | 15日 | |
3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | ||
2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | |||
1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 3日 |
企業によっては、パート・アルバイトにも夏季休暇や年末年始休暇が付与される場合があります。また、結婚、出産、忌引など、慶弔事由による休暇は、パート・アルバイトでも取得できるのが一般的です。また、産休・育休に関しても取得することができます。
収入
パート・アルバイトの給与は、ほとんどの場合、時給制で支払われます。「労働時間×時間当たり賃金」によって計算され、残業や深夜労働などが発生する場合は、割増賃金が支払われます。
時給額は職種、地域、経験、スキルなどによって異なりますが、国が定める最低賃金以上の時給が保障されます。最低賃金には、地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金があります。
令和5年度地域別最低賃金の全国平均は1,004円で、マイナビの調査によれば平均時給は1,203円です。最低賃金・平均賃金いずれも上昇傾向にあります。
パート・アルバイトは、正社員と比べて昇給の機会が少ない傾向にあります。また、正社員と比べて賞与や退職金がない場合が多いです。2023年時点で一般労働者(パートタイム労働者以外)の平均月間給与額は43.7万円ですが、パートタイム労働者の平均月間給与額は10.4万円と30万円以上の差があります。
パート・アルバイトで働く労働者が年収103万円、106万円、130万円、150万円を超えると、税や社会保険についてそれぞれ以下のような影響があります。このような影響も理解した上で、働く時間をコントロールしていくことが重要となります。
年収 | 影響 | 内容 |
---|---|---|
103万円超 | 所得税の課税対象 | 103万円を超えた部分に対して所得税が課税されます。 |
住民税の課税対象 | 住民税の非課税限度額は、各自治体によって異なりますが、多くの場合100万円程度です。103万円を超えると、住民税の課税対象になる可能性があります。 | |
106万円超 | 社会保険の加入 | 勤務先の企業規模が一定以上の場合、106万円を超えると社会保険(健康保険・厚生年金)の加入対象となる場合があります。 |
配偶者の扶養から外れる | 配偶者の扶養に入っている場合、106万円を超えると扶養から外れる可能性があります。 | |
130万円超 | 社会保険の加入 | 勤務先の企業規模に関わらず、130万円を超えると社会保険(健康保険・厚生年金)の加入が義務付けられます。 |
150万円超 | 配偶者特別控除の適用 | 配偶者の所得が150万円以下であれば、配偶者特別控除(38万円)が適用されます。150万円を超えると、控除額が段階的に減額され、201万円を超えると控除がなくなります。 |
福利厚生
パート・アルバイトの福利厚生は、正社員や契約社員と比べて限定的なことが多いです。
法定福利厚生に関しては、社会保険・雇用保険は労働時間や日数などの所定の条件を満たすことで加入することができます。労災保険は、パート・アルバイトも加入対象となり、業務中や通勤途中の怪我や病気に対して補償が行われます。
法定外の福利厚生に関しても、正社員と比べて限定される場合が多いです。しかしながら、2020年4月に施行されたパートタイム・有期雇用労働法により、福利厚生に関しても正社員と非正規雇用の労働者との間で不合理な待遇差を設けることが禁止され、徐々にパート・アルバイトにも各種制度が適用されるようになっています。
社会的信用
パート・アルバイトは雇用期間が限定されており、かつ、時給制であるため収入の安定性が低いとみなされる傾向にあります。そのため、住宅ローンやクレジットカードの審査において不利になる可能性があります。特に住宅ローンに関しては継続的に収入が見込めることが必要となるため、審査に通過するのが厳しくなります。
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パート・アルバイトのメリット・デメリット
パート・アルバイトの従業員・企業目線のメリット・デメリットは下記の通りです。
従業員目線のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
自分のライフスタイルに合わせて、働く時間を決めることができるため、学業や家事などと両立しやすい 正社員と比べて、業務の責任範囲が限定されているため、精神的な負担が軽減される 興味のある分野や未経験の職種に挑戦しやすく、スキルアップやキャリアアップのきっかけになる 配偶者や親の扶養に入っている場合、年収106万円以内であれば、税金・社会保険料を抑えることができる | 時給制で、雇用期間が定められているため、収入が不安定になりやすい 正社員や契約社員と比べて福利厚生が限定される 業務範囲や責任範囲が限定されるため、スキルアップやキャリアアップが難しい 住宅ローンやクレジットカードの審査などにおいて、社会的信用が低いと見なされる場合がある |
企業目線のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
時給制で、正社員や契約社員と比べて給与水準が低い傾向にあるため人件費を抑えることができる 繁忙期や閑散期に合わせて、人員をコントロールすることができる 学生、主婦、シニアなど、様々な人材を雇用できるため、人手不足を解消できる | ライフステージの変化に合わせて離職が発生しやすく、人材の定着率が低い 正社員のように責任のある仕事を任せられない 人材の入れ替わりが激しいため、育成の負担が大きい |
パート・アルバイトになる方法
パート・アルバイトに関しては、学歴や職歴を問わず、未経験でも始められるものが多いです。パート・アルバイトの求人は、求人検索サイトやハローワークなどを通じて、エリア、働き方などの条件を指定して探すことができます。また、企業のHPから直接応募することもできます。正社員や契約社員と異なり、求人数は圧倒的に多く、自分自身のライフスタイルに合わせた求人を選択することができます。
パート・アルバイトでは未経験者を前提として応募している場合が多いので、応募資格はそれほど高くはありません。もちろん経験者の場合、優先的に採用される場合もあります。
選考においては、過去の職務経験や業務に対する適性の他、年齢、勤務可能な日数、土日祝日勤務の可否などを総合的に評価して採用・不採用が判断されます。不採用理由として最も多いのは経験やスキルの不一致です。明確なスキルや経歴が求められる求人については、要件をきちんと満たすか確認の上で応募するようにしましょう。
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パート・アルバイトに関しては、学歴や職歴を問わず、未経験でも始められるものが多いです。パート・アルバイトの求人は以下のような求人検索サイトを用いて、エリア、働き方などの条件を指定して探すことができます。
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ブラックバイトの特徴と対処法
パート・アルバイトは非正規雇用で、労働時間も限られているという点で、不利な立場に置かれやすいという傾向があります。中には金銭的なトラブルを引き起こしかねないこともあるため、以下のような点については注意した上で、パート・アルバイトに取り組みましょう。
労働条件の確認
まず、アルバイトを始めることになった際は、労働条件をしっかりと確認しましょう。この際口頭での説明だけでなく、必ず書面(雇用契約書など)で確認することが重要です。また、書面は適切に保管しておきましょう。
確認すべきポイントは以下の通りです。
- 雇用期間
- 労働時間・休暇
- 時給
- 業務内容、求められるスキル、責任範囲
- 交通費
- 試用期間
- 退職する場合の決まりなど
賃金の未払い
パート・アルバイトであっても、月に1回賃金を支払う必要があります。しかし、企業によっては経営状況の悪化で「支払いを待ってほしい」といって、なかなか支払ってくれない場合もあります。
そのような場合、まずは給与担当者や直属の上司に連絡し、未払いの理由や支払いの見込みを確認しましょう。それらのやり取りは、連絡した日時、相手の名前、会話の内容などを記録しておきましょう。
その上で、支払われない、または、支払われる見込みがない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は、賃金未払いの問題について、会社に指導や勧告を行うことができます。その場合、労働契約書、給与明細、タイムカードなど、未払い賃金を証明できる書類を準備しておくとスムーズです。
時給が最低賃金を下回る
前述の通り、パート・アルバイトの時給は最低賃金が定められています。アルバイトを始める前に時給が最低賃金を下回っていないかを確認しましょう。たとえ、研修期間中でも最低賃金を下回ることは違法です。最低賃金については厚生労働省のサイトで確認することができます。
もし、最低賃金を下回る時給しか支払われない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は、最低賃金法違反について、会社に指導や勧告を行うことができます。その場合、労働契約書、給与明細、タイムカードなど、最低賃金を下回っていることを証明できる書類を準備しておくとスムーズです。
不当な減給をされた
遅刻や欠勤など労働者の問題により、給与が減給される場合があります(減給制裁)。パート・アルバイトとして働いている際に減給制裁を受けた場合、以下の点を確認し、必要に応じて対応しましょう。
懲戒事由の該当性の確認
減給の理由が、就業規則に定められた懲戒事由に該当するか確認しましょう。
減給額の適法性の確認
減給はいくらでもできるわけではなく、労働基準法91条で以下の通り上限が定められています。
上限 | 例 |
---|---|
1回の減給額は、平均賃金の1日分の半額を超えてはいけない | 1日の平均賃金: 1,200円 × 8時間 = 9,600円 1回の減給限度額: 9,600円 × 1/2 = 4,800円 |
1回の賃金支払期における減給総額は、賃金総額の10分の1を超えてはいけない | 1ヶ月の平均賃金: 20万円 1賃金支払期(1ヶ月)における減給限度額: 20万円 × 1/10 = 2万円 |
上記の上限を超えた減給が行われた場合、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は、減給が労働基準法に違反していないか調査し、必要に応じて会社に指導を行います。
残業代が出ない、割増賃金が支払われない
前述の通り、パート・アルバイトであっても残業代は発生します。また、深夜帯(午後10時~午前5時)に働く場合、割増賃金が適用されます。労働時間については、営業時間後の清掃の時間なども含まれます。
ケース | 割増率 |
---|---|
法定労働時間を超えて働く場合(時間外労働) | 25%以上 |
法定休日に働く場合(休日労働) | 35%以上 |
午後10時~午前5時の間に働く場合(深夜労働) | 25%以上 |
時間外労働+深夜労働 | 50%以上 |
1か月60時間を超える時間外労働 | 50%以上 |
所定労働時間を超えているのに残業代が出ない、割増賃金が支払われない場合については、労働基準監督署に相談しましょう。その場合、労働契約書、給与明細、タイムカードなど、未払いを証明できる書類を準備しておくとスムーズです。
有給休暇が取れない
前述の通り、パート・アルバイトであっても有給休暇を取得することができます。
6ヶ月以上継続して勤務を行い、全労働日の8割以上を出勤していれば、所定労働日数(時間)に応じて年次有給休暇が与えられます(比例付与)。週所定労働時間が30時間以上の場合、有給休暇の日数は正社員と同様に勤続年数に応じて付与されます。
週所定労働時間 | 週所定労働日数 | 年間所定労働日数 | 勤続年数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6ヶ月 | 1年6ヶ月 | 2年6ヶ月 | 3年6ヶ月 | 4年6ヶ月 | 5年6ヶ月 | 6年6ヶ月 | |||
30時間以上 | - | - | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
30時間未満 | 5日以上 | 217日以上 | |||||||
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10 | 12日 | 13日 | 15日 | |
3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | ||
2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 | |||
1日 | 48日~72日 | 1日 | 2日 | 3日 |
有給休暇の取得を拒否された場合、労働基準法で有給休暇の取得が認められていることを伝え、取得を申請しましょう。それでも認められない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
ただし、会社が事業の正常な運営を妨げると判断した場合は、有給休暇を取得する希望日の変更を求められることがあります(労働基準法39条)。その場合は、上司と相談の上で、改めて有給休暇を取得できる日を相談しましょう。
まとめ
本記事では、パート・アルバイトの人口、特徴、種類、メリット・デメリット、パートタイム・アルバイトのなり方、ブラックバイトの特徴について解説して参りました。
パート・アルバイトは、正社員や契約社員と比べて収入が不安定であるという側面がある一方で、自身のライフスタイルに合わせた働き方ができるという点でメリットも多いです。しかし、パート・アルバイトは使用者との関係で不利な立場に置かれやすく、不当な労働を強いられる可能性もあります。パート・アルバイトで働く際は、本記事で紹介したような注意すべきポイントをよくご確認ください。
パート・アルバイトで仕事を探されている方は、是非本記事も参考にしてみてください。
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