凡人でも大丈夫!面接で地頭の良さが伝わる話し方と質問への答え方

  • URLをコピーしました!

企業の採用担当が面接で評価するポイントの一つに地頭の良さがあります。特にコンサルティングファームなど問題解決を主眼とする企業においては重要視される傾向にあります。

しかし、「地頭の良さ」とは抽象的な概念であり、イマイチ分かりづらいと思います。

そこで本記事では、事業会社で面接官を務めた経験から私なりの地頭の良さを定義し、面接で地頭の良さが伝わる話し方や質問への答え方を解説したいと思います。

新卒の就活支援ならUZUZ(ウズウズ)

プロのアドバイザーのエントリーシート添削、面接対策を受けることができます。また、キャリアカウンセリングを通じてあなたに合った業界・業種を紹介してくれます。

目次

面接の大前提

まず初めに、前提として面接とはどういうものであるか、を私なりの解釈をお伝えしたいと思います。以降の地頭の良さが伝わるポイントについてもこちらの前提のもとに説明します。

面接とは会話である

面接とは、面接官から求職者に対するインタビューでも、求職者のプレゼンテーションの場でもありません。面接とはあくまで会話であると考えるべきです。

そのため、自然な会話を成り立たせるということは最も大切です。面接のために準備してきた内容を回答するということも大切ですが、それにこだわると不自然な会話になってしまう可能性があります。それだけで、面接官は「この人、地頭良くないな」と評価してしまいます。

面接官はあなたのことを全く知らない

面接官は求職者のことは全く知らないという前提で臨む必要があります。エントリーシートや履歴書を提出しているかもしれませんが、面接官がきちんと読み込んでくれているとは限りません。もちろん、求職者の専攻内容や専門的な職務経歴についてほとんど理解していないでしょう。

面接では、それらの面接官が全く把握していない内容を言葉だけで伝える必要があります。もし、自身の専攻内容や専門的な職務経歴を面接官が理解できるように伝えられないと、いかに素晴らしい経験をしていても意味がありません。

面接官は「今何ができるか」より「今後一緒に働けるか」を重視する

これは新卒採用の場合は特に顕著なのですが、面接官は求職者が「今何ができるか」ということをそれほど重視しません。当然ながら企業が求める業務をすぐに遂行できるはずがないからです。これは中途採用でも同じです。いかに資格や職務経歴があったとしてもその場でスキルが十分かの判断は難しいからです。

面接官が特に重要視するのは「今後一緒に働けるか」ということです。そのため、面接においてどのようなコミュニケーションを取るかを評価します。上手く話が通じない人とは一緒に働きたくないと考えるのは当然です。

一般的な地頭の良さ

一般的な地頭の良さとは、論理的思考力、問題解決力、抽象化能力などを指しますが、イマイチ理解が難しいと思います。また、論理的思考力、問題解決力、抽象化能力を一から磨くというのも困難です。社会人でもこれらの能力がきちんと身についている人は稀です。

なので、以下では「面接で求められる地頭の良さ」に着目して、誰でも実践できるような話し方、質問への回答をお伝えします。

面接で求められる地頭の良さ

面接で求められる地頭の良さとは以下の5つのポイントに集約されます。逆に言えば、時間や実施事項が限られている面接という場ではこれ以上の要素から地頭の良さを測ることはできないのです。

  1. 質問をきちんと理解しているか
  2. 発言が端的であるか
  3. 事実(fact)と推測(guess)を区別できているか
  4. 何(What)をしたかより、どのように(How)、なぜ(Why)したのかを説明できるか
  5. 考えの幅が狭くないか

質問を理解しているか

基本的なことではありますが、面接官は候補者がきちんと質問を理解しているかを評価します。

少し極端な例を出します。

こちらの動物を見てAさんから質問されました。

Aさん「これは黒い動物ですか?」

これに対して以下のどちらの回答が適切でしょうか。

回答1「それはカラスです」

回答2「はい、それは黒い動物です」

質問を正しく理解し、回答できているのは回答2の方です。質問は「はい」か「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンです。それに対して、「はい」で回答し、「黒い動物」であるという必要な情報だけを端的に述べています。逆に回答1は「はい」「いいえ」で答えていませんし、Aさんが知りたい「黒い動物」であるかという点に答えていません。

日常会話でこのようなやり取りが行われることはないと思いますが、質問を理解しているというのは、相手の質問の種類を判別し、期待されている情報を回答するということです。

次はもう少し面接で聞かれる内容に近い内容です。

面接官から次のような質問がありました。

「あなたはサークルの代表としてなぜ、メンバーの増員が必要だと思ったのですか?」

これに対して以下のどちらの回答が適切でしょうか。

回答1「サークル全体の活性化と、活動の幅を広げるために、メンバーの増員が必要だと考えました。現在のメンバー数では、企画の実施や運営に限界があり、新しいことに挑戦したくても、マンパワー不足で実現できない状況だったからです。」

回答2「サークルのメンバー増員のため、新入生歓迎会での声掛け、大学内でのビラの配布を毎日10名体制で実施しました」

質問を正しく理解し、回答できているのは回答1の方です。質問は理由(Why)を問うオープンクエスチョンです。それに対して、回答1はきちんと理由を述べられています。逆に回答2は何を実施したか(What)を答えています。これは質問と回答が整合していない例です。

こうして文面で見れば、正しい回答ができて当たり前のように感じるかもしれませんが、意外と面接では、質問をきちんと理解せずに回答が整合していないという状況は多いです。これは、面接で聞かれる質問を想定し、事前に回答を準備しているため、どのような質問に対しても同じフレーズでしか回答することができないからです。

上記の通り、面接とは会話です。聞かれた質問に正しく答えなければ会話は成立しません。面接で何を話すのかももちろん重要なのですが、まずは、面接官の質問をきちんと理解することを意識しましょう

特に以下の点に注意し、質問を正しく理解しましょう。

  1. オープンクエスチョンかクローズドクエスチョンか
  2. What(何を)/How(どのように)/How~(どれくらい)/Why(なぜ)のどれを聞いているのか

オープンクエスチョン:回答を限定せずに、相手が自由に回答できる質問
クローズドクエスチョン:「はい(Yes)」か「いいえ(No)」で答えられるような質問や回答が限定されている質問

発言が端的であるか

次に発言が端的であるかも重要なポイントです。

多くの人が分かっているとは思いますが、ダラダラと話し続けるような人をあまり賢いとは思わないでしょう。特に面接で対話するのはあなたのことを全く知らない面接官なのですから、聞いている方は苦痛にも感じることもあります。

結論を最初に伝える、これはどのような場面においても意識しましょう。最初に結論を提示することで、聞き手の集中力を維持し、理解度を高めることができます。

さらに、PREP法を用いるとメリハリのある説明を行うことができます

PREP法とは、「結論(Point)」→「理由(Reason)」→「具体例(Example)」→「結論(Point)」という順序で説明する手法です。これを意識するだけで、論理的で説得力のある説明を行うことができます。

あなたの強みは何ですか?

結論(Point)

私の強みはリーダーシップです。

理由(Reason)

学生時代にはチームを率いる場面を多数経験し、書籍、セミナーなどでリーダーシップを学び、実際に結果を残すことができたからです。

具体例(Example)

具体的には、2年生の時に参加したインターンシップでは、チームリーダーの立場となり、プロジェクトの設計、チームの役割分担、メンバーのマネジメントを行いました。私のリーダーシップにより、チームメンバーを積極的にコミットさせることができ、インターンではチームで1位を獲得することができました。

結論(Point)

以上のように、私の強みはチームを率いて結果を出す強いリーダーシップです。

最後の結論(Point)は省いてしまって問題ありません。結論を最初に伝えているので、改めて再度結論を述べる必要はないからです。

PREP法の良い点は、自分自身の頭の整理もできるという点です。結論、理由、具体例を整理することで、自分の考えを明確にし、筋道を立てて説明する能力が向上します。

事実(fact)と推測(guess)を区別できているか

事実(fact)と推測(guess)を区別できているかという点も重要です。これは「今後一緒に働けるか」という点に影響を与えるポイントです。

事実とは、客観的に証明できる情報や実際に起きた出来事です。例えば、「今日の東京の最高気温は28度だった」というのは、気象庁のデータで確認できるため事実です。

一方、推測とは、事実をもとに、論理や経験から導き出された結論や予測です。例えば、「明日の東京は晴れそうだ」というのは、今日の天気や過去の気象データから推測したものであり、必ずしも正しいとは限りません。

仕事では、この事実と推測を混同してしまうと誤った判断や意思決定につながる可能性があります。面接の段階でも、面接官はこの基礎的な区別ができているかを評価し、一緒に働けるのかというのを吟味しているのです。

何(What)をしたかより、どのように(How)、なぜ(Why)したのか

面接の中で自己アピールとして学生時代の経験・実績を説明する場面があると思います。その中で面接官は、何(What)をしたのかよりも、それをどのように(How)、また、なぜ(Why)したのかを説明できるかを評価します。

面接官はあなたのことを知らないわけですからその実績がどれほどすごいのかを正確に測ることはできません。実績よりもむしろその実績を再現性をもって実現できる能力があるかを重視します。つまり、同じことをもう一度できるかどうかを確かめているのです。

よく自己アピールでは、アルバイトの売上を何%伸ばしたというアピールをする学生は多いです。それ自体は素晴らしいことですが、それがまぐれではなく、きちんとした根拠に裏付けられた結果であることを説明してほしいのです。

売上向上の例では、以下の観点をきちんと説明できなければ、どんなに素晴らしい実績を持っていたとしても、成功要因も把握できておらず、まぐれでしかないと判断されてしまいます。

  • 売上が上がらない原因をどのように分析したのか
  • それに対してどのような打ち手を取ったのか
  • なぜそのような打ち手を取ったのか
  • その打ち手による売上に対する効果はどうだったのか」

逆にこれらをきちんと説明できれば、論理的な問題解決能力に長けていると評価されます。

面接前には、自己アピールに使用する際の経験を振り返り、何をしたのかよりも、どのように、また、なぜしたのかをきちんと説明できるように準備しましょう

考えの幅が狭くないか

考えの幅が狭くないかという点も重要です。これは言い換えると一つの結論に固執せず、他の選択肢も柔軟に考えられるかという意味です。

業務を進める上では、自分の意見や考えを上司などにボツにされてしまうことも非常に多いです。もちろん、自身の意見を貫くことも大切なのですが、他の選択肢も考えられる柔軟性が求められます。逆に自分の意見に固執すると「この人頑固だな」「こだわり強いな」と思われてしまいます。

例えば、面接でのケース問題でも一つの課題、一つの解決策に終始するのではなく、幅広く選択肢を考えることを心がけましょう。また、面接官に自分自身の意見を否定された場合も、元の考えにこだわり続けるのではなく、面接官の意見も踏まえ、別の選択肢を検討することを試みましょう。

ここで重要なのは正しい結論を導き出すことではなく、別の選択肢を模索する姿勢を示すことです。その姿勢が面接官に伝われば、柔軟性もあり、一緒に働けると思ってもらうことができます。

新卒の就活支援ならUZUZ(ウズウズ)

プロのアドバイザーのエントリーシート添削、面接対策を受けることができます。また、キャリアカウンセリングを通じてあなたに合った業界・業種を紹介してくれます。

まとめ

この記事では、面接で地頭の良さをアピールするための話し方と質問への答え方について解説しました。面接では特別な才能やスキルは必要ありません。上記のような話し方、回答のテクニックを抑えることで、誰でも「地頭が良い」と評価されます。

是非、本記事で紹介したテクニックを参考に面接に臨んでみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コンサルティングファームにおいて様々な業界で経験を積み、人材領域で業界の知識を活かしたく、本サイトを運営しております。すべての人が適職で活躍できるような社会を実現するため情報提供をして参ります。

コメント

コメントする

目次