フリーコンサルは稼げない?フリーランスコンサルタントの概要、メリット・デメリット、年収、働き方、案件獲得方法・案件紹介サービス、学習方法を解説

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近年、企業に属さずフリーランスコンサルタント(フリーコンサル)として活動する人が増えています。

フリーコンサルとは会社に所属せずに、コンサルタントとして企業の課題解決をサポートする仕事です。フリーコンサルは高収入を実現できる可能性がある一方で、継続的に案件を受注できなければ収入が減る可能性もあります。そのため、日々スキルアップを心がけ、案件獲得方法を確立していくことが大切です。

本記事では、フリーランスコンサルタントの概要、メリット・デメリット、年収、働き方、案件獲得方法・案件紹介サービス、学習方法を解説していきます。

フリーコンサル向けおすすめ案件紹介サービス6選

スクロールできます
サービス名特徴
デジタル人材バンク平均人月単価は193万円(2022年5月度実績)。人月単価350万円以上の案件もあり

デジタル案件に特化して案件収集を行っているため、DX・デジタル案件が豊富
プロフェッショナルハブITコンサルタントやPMOに特化した案件が中心
専属担当者による充実したサポートがあり、案件の悩み相談、独立するために税務相談や法人設立支援等のサポートを受けることができる
フリーコンサルBiz 転職エージェントの独自ルートを活かしたプライム案件が豊富で、高単価で魅力的なプロジェクトが多い

転職・独立といったキャリア支援を受けることができる
foRPro(フォープロ)DX関連のプロジェクトを中心とした案件が豊富

プライム案件が豊富で案件平均単価 150~200万円と比較的高額
アビリティクラウドベンチャーコンサルティングファームであるイグニッション・ポイントのグループ会社が運営

多数のプライム(直請け)案件があり、高単価×長期(平均継続12.3か月)での参画が可能
ProConnect(プロコネクト)マージンが公開されており、ベース8~15%
書類審査をパスした方だけが、案件の紹介を受けられるスクリーニング制度を整備しており、平均単価は170万円/人月
目次

フリーコンサルの概要

フリーコンサルとは、企業に雇用されずに、個人事業主として企業の経営課題の解決に従事するコンサルタントです。通常、案件ごとにクライアントと業務委託契約を結び、定められたスコープ、期間での支援を遂行します。

近年、以下のような要因により、フリーコンサルの需要が高まっています。

企業での外部人材活用ニーズの高まり

近年、専門性の高い人材を確保するため、企業の外部人材の活用のニーズが高まっています。

株式会社サーキュレーションの調査によれば、新型コロナウイルスの影響を受けて、より採用するようになった人材としては、「専門知識があり、プロジェクト単位で働いてくれる人」が最も多く46.4%を占めました。正社員として在籍する人材だけでなく、外部人材を活用することも選択肢として増えてきました。

コロナ禍を経て採用の増えた人材
株式会社サーキュレーション

企業としては、即戦力となる優秀な人材を必要な時に必要な期間だけ活用できるため、正社員を雇用するよりもコストを抑えることもできます。

コンサルティングファームの人材不足

コンサルティングファームの就活における人気は依然として高いものの、近年のDX案件の増加などを受け、コンサルティングファームでも人材不足が発生しています。そのため、案件を受注しても案件を遂行するための人材の確保が難しいという状況があります。そこでプロジェクト単位でフリーコンサルに委託して、プロジェクトメンバーとして活用するコンサルティングファームも増えています。

フリーコンサルにとっては、コンサルティングファームを経由して案件を受注すると、フリーコンサルにとっては、クライアントから直接受注するよりも報酬は低くなる可能性があります。一方で、プロジェクトで良い成果を残せば、同じコンサルティングファームから継続して依頼が来ることも期待できます。

自由な働き方をしたい

働き方の多様化に伴い、フリーランスとして自由に働きたいと考えるコンサルタントが増加しています。

フリーコンサルになれば、条件にもよりますが、自身の希望する時間、場所で働くことができます。また、自分自身の取り組みたい案件やスキルを伸ばしたい領域に挑戦することもできます。

コロナ禍を経て、オンライン会議などのツールが普及したことも自由な働き方を実現するための追い風となりました。

高い年収を実現したい

加えて、フリーコンサルとしてのスキルを伸ばすことで、高い年収を実現したいと考えるコンサルタントも増加しています。

企業に属して働く場合、給与の額や昇給率などには限界がありますが、フリーコンサルであれば、高単価案件を受注することで1,500万円以上の年収を実現することもできます。

フリーコンサルの種類

フリーコンサルと一口に言っても、支援領域は様々です。以下、フリーコンサルとして従事する領域ごとにコンサルの種類を整理しています。

戦略系コンサルタント

企業の経営戦略、新規事業開発、M&A、組織改革など、経営層が抱える課題に対して、解決策の提案や実行支援を行います。プロジェクトの難易度としては比較的高いため、比較的報酬は高額になります(200万円超の案件も)

クライアントは経営層が中心になるため、専門知識に加え、幅広い業界・ビジネスへの理解が求められます。プロジェクトの期間はIT・PMO系のプロジェクトと比較して短期間になることが多いですが、検討が継続すれば年間にわたる長期プロジェクトになる可能性もあります。

ITコンサルタント

企業のIT戦略策定、システム導入・開発などを支援します。IT戦略については、システム導入計画、IT投資計画、セキュリティ対策など企業のITインフラのグランドデザインを策定します。さらに下流のシステム開発においてはベンダー選定、要件定義、開発管理、テスト、導入支援など、様々な支援を行います。

一般的な傾向としては戦略系コンサルタントよりも報酬は低くなります。

ITに関する専門知識はもちろんですが、システムは業務と密接に関連しているため、各企業の業務知識などもあるとアピールポイントとなります。IT領域は技術の移り変わりが激しいため、常に最新トレンドにキャッチアップすることが求められます。

PMOコンサルタント

プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の構築・運用を支援し、プロジェクトの円滑な推進を実現します。PMOとは、プロジェクトの円滑な進行をサポートするための組織や機能を指します。主にシステム開発プロジェクトに参画することが多いです。

プロジェクトマネジメントに関する専門知識・経験が必要になります。PMP(Project Management Professional)の資格があるとアピールポイントとなります。また、PMOコンサルタントは様々なステークホルダーとの調整が求められるため、高いコミュニケーション能力も求められます。

業務コンサルタント

企業の業務プロセス改善(BPR)、業務設計などを支援します。BPRとは、Business Process Reengineering(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の略で、企業の業務プロセスを根本的に見直し、再構築することで、業務効率や生産性の向上、コスト削減、顧客満足度の向上などを目指す方法です。

BPRにおいてはクライアントの業務に関する知識、業務の分析力が求められます。現場の社員の協力を得ながら進めるため、コミュニケーション能力が求められます。業務改善のための打ち手としてシステムの導入やITソリューションの導入も考えられるため、ITの知識もあればなお良いです。

DXコンサルタント

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、企業のビジネスモデルや業務プロセスの変革を支援します。近年、多くの企業でDXを推進しようとする動きがあるため、ニーズが高まっている職種の一つです。DXコンサルにも、DX戦略策定、DX推進支援、DX人材育成など様々な領域があります。

DXコンサルタントのスペシャリストはそれほど多くはないため、比較的報酬は高額になります(200万円超の案件も)

AI、IoT、クラウド、ビッグデータなどの先端デジタル技術はもちろん、様々な支援領域と関連することが多いため、総合的なコンサルティングスキルが求められます。

各支援領域におけるおすすめの資格は下記記事をご確認ください。

フリーコンサルのメリット

高収入を実現できる可能性

会社員の場合は、固定給が定められており、かつ、昇給の機会も限られているため、収入を上げることが難しいです。

一方で、フリーコンサルの場合、案件単価により報酬が決まっており、スキルを磨いて高単価案件を多くこなすことで、高収入を実現することができます。案件仲介企業などを介さず、クライアントから直接受注することができれば、案件単価が丸々報酬として獲得することができます。

自由で柔軟な働き方ができる

自由で柔軟な働き方ができるという点もフリーコンサルのメリットの1つです。

サラリーマンコンサルの場合、会社のルールに従い労働条件が決められますが、フリーコンサルは、クライアントとの交渉次第で自由に決めることができます

必ずしもクライアント先に常駐して業務を遂行する必要はなく、テレワークで働くこともできます。また、子供の送り迎えなど必要な場合は、中抜けしたり、時短で勤務したりすることもできます。その他、プロジェクト期間内で休暇を取得するといったこともできます。

このように交渉次第で、自由な働き方ができるのもフリーコンサルの魅力といえます。

自分で仕事を選ぶことができる

会社員の場合は、企業に与えられた業務をこなしていくことが基本となり、自分のやりたい仕事ができる可能性はそれほど高くはありません。

一方で、フリーコンサルの場合、自分に合った業務、希望する働き方、報酬の案件を選択することができます。もっとも、案件を受注するためにはスキルや実績が求められますが、ある程度フリーコンサルとして仕事をこなせば、選択肢の幅も大きく広がります。

フリーコンサルのデメリット

案件獲得が難しい

企業に所属するコンサルタントであれば会社が案件を獲得してくれますが、フリーコンサルになると案件獲得は自分自身で行う必要があります。案件獲得ができないと収入がなくなってしまいますが、フリーコンサルの案件獲得は難易度が高くなります。特にフリーコンサルとして活動し始めは、実績もないため営業活動に多くの時間を費やす必要があります。

孤独感がある

フリーコンサルはプロジェクトごとに契約を結び、働くため、仕事の中での人間関係はプロジェクト内でしかありません。企業に属するコンサルタントであれば、気軽に同僚や先輩と交流したり、悩みを相談したりできますが、フリーコンサルの場合は難しいです。

心身の故障により働けなくなっても、代わりの人を用意してくれるわけでもないので、体調管理・メンタルケアなども自分自身で行う必要があります。

なので、フリーコンサルになる場合は、孤独感を解消する方法も考えておくことをおすすめします。例えば、フリーコンサルの仲間を見つける、ビジネス交流会に参加する、コワーキングスペースを利用するなど、人との交流を増やすことが大切です。

社会的信用が低い

上記の通り、フリーランスエンジニアは会社員と比べて収入が安定しないため、社会的な信用が低くなります。

結果として、ローンを組んだり、クレジットカードを作ったりするということが難しくなります。そのため、フリーランスになる前にクレジットカードを作っておくと良いでしょう。

フリーコンサルの年収

フリーコンサルのメリットは比較的高い収入が得られるということです。おそらく多くの人が収入アップを目指してフリーに転身すると思います。

フリーコンサルであれば、企業に属するコンサルタントとは違って、クライアント企業からもらう報酬がそのまま収入となります。そのため、企業に属するコンサルタントの1.2~1.5倍程度の収入を期待することができます。役職別の月額単価と年収目安が下表の通りです。

また、フリーコンサルの中でも戦略コンサルタントはより高い収入を得られます。中には年収3,000万円を超えるコンサルタントもいます。

フリーコンサルの年収

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フリーコンサルのレベル月額単価想定年収
(100%稼働の場合)
アナリスト相当70~100万円1,000万円
コンサルタント相当100~150万円1,500万円
マネージャー相当150万円~1,800万円
シニアマネージャー相当170万円~2,000万円
パートナー相当200万円~2,500万円

以下は、コンサルティングファームに所属するサラリーマンコンサルタントの年収の目安です。一般的なサラリーマンとしては年収は高いですが、報酬から経費等が差し引かれているので、フリーコンサルよりも低くなっています。

フリーコンサルの年収目安

外資系戦略コンサルティングファームの役職と年収水準

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役職年齢経験年数固定給与業績賞与
アナリスト22~28歳0~3年500~800万円固定給の20%
コンサルタント25~35歳0~6年900~1300万円固定給の20%
マネージャー28~40歳2~10年1400~2000万円固定給の30%
プリンシパル32~45歳5~15年1700~2500万円固定給の30%
パートナー35歳以上7年以上2500万円以上業績次第
https://www.movin.co.jp/gyoukai/firmsalary.html

総合系/IT系コンサルティングファームの役職と年収水準

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役職年齢経験経験固定給与業績賞与
コンサルタント22~30歳0~3年500~700万円固定給の10~20%
シニアコンサルタント25~35歳0~6年700~900万円固定給の10~20%
マネージャー28~40歳2~10年900~1400万円固定給の10~20%
シニアマネージャー32~45歳5~15年1300~1800万円固定給の10~20%
パートナー35歳以上7年以上2000万円以上業績次第
https://www.movin.co.jp/gyoukai/firmsalary.html

フリーコンサルになる方法

必要なスキルを身につける

フリーコンサルとなるには、コンサルタントとしての専門スキルや実務経験が必要となります。

コンサルタントとしてのスキルは実務経験以外ではなかなか身につけることが難しいため、まずはコンサルティングファームで一定の経験を積むことが一般的です。最低でも3年程度の経験があれば、上司の指示に基づき、プロジェクトを遂行できるレベルにまで達するので、フリーコンサルとして活動することができます。

実務経験に加えて以下のようなスキルを

コミュニケーション能力

クライアントとのやり取りや進捗報告、成果物説明などチームメンバーとの円滑なコミュニケーションが不可欠となります。日本語でのコミュニケーションは必須で、英語ができると、海外案件や外資系企業との仕事に有利となります。

報酬の交渉なども自らクライアントと行う必要があるため、交渉能力や自信を売り込むためのプレゼンテーション能力もあると望ましいです。交渉などに自身がない場合は、フリーランス向けの案件紹介サービスを利用することをおすすめします。

自己管理能力

フリーコンサルに限らずですが、仕事を進める上でのスケジュール管理、タスク管理、納期厳守など、自己管理能力が重要となります。また、フリーコンサルの場合、基本的には一人で働くことが多くなるため、自身でのモチベーション維持、自己研鑽が必要となります。

セールススキル

フリーコンサルの場合、自分自身で案件を獲得する必要があるため、企業に対して自信を売り込むセールススキルが求められます。まずは、自分自身の強みや実績を整理した上で、それを魅力的に説明するようにしましょう。

より高単価の案件獲得を目指す場合は、フリーコンサルとして実績を積み上げると同時に、人脈や企業とのコネクションを構築していくことも大切です。

更に下記のようなスキルがあれば、案件の獲得・遂行に有利となります。

特定分野の専門知識

DX、AI、会計、M&A、労務など特定分野の専門知識を保有していると、より高単価の案件を獲得できる可能性が高くなります。近年は、DXやAIなど最新技術に関するプロジェクトのニーズが高いため、常に最新技術動向をキャッチしていることが大切です。

プロジェクトマネジメントスキル

いかなるプロジェクトにおいてもプロジェクトマネジメントスキルを有していれば、プロジェクトを円滑に進めることができます。プロジェクトリーダーやマネージャーとしての役割でなくても、マネジメントの価値を発揮することで、クライアントやチームメンバーから高い評価を得ることができます。

英語力

英語でのコミュニケーション能力があると、海外案件や外資系企業との仕事に有利となります。また、IT・デジタル業界の最新技術情報は、英語で発信されることが多いため、そのような情報をいち早くキャッチするためにも英語は役に立ちます。

資格

フリーコンサルとして働く上で、特定の資格が必須ではありませんが、資格を取得することでスキルと知識を客観的に証明することができます。たとえば、以下のような資格などは案件獲得などでも有利にはたらきます。

  • 中小企業診断士:中小企業の経営課題を診断し、経営改善計画の策定・実行支援を行うための国家資格
  • ITストラテジスト:企業の経営戦略に基づいたIT戦略の策定・実行を支援するための国家資格
  • システムアーキテクト:システム全体の設計・構築を統括する専門家としての能力を証明する国家資格
  • PMP:プロジェクトマネジメントに関する知識や経験を有することを証明できる資格
  • 簿記・会計に関する資格:企業の財務会計に関する知識を有することを証明できる資格
  • 英語系資格:TOEIC、TOEFL、英検など英語によるコミュニケーション能力を証明できる資格
  • JDLA認定資格(G検定・E資格):AIの全体像、ビジネスへの応用、実装に関する知識・経験を証明できる資格

実務経験を積む

コンサルティングスキルは独学で学ぶことは難しいため、まずはコンサルティングファームに所属し、実務経験を積む必要があります。様々なプロジェクト経験があると、フリーコンサルとしても選択肢の幅が広がるため、最低でも3年程度はコンサルティングファームで働くことをおすすめします。

また、最初からフリーコンサルとして独立するのは難しい場合は、副業として案件を受注しながら経験を積んでいくのも良い方法です(副業系フリーランス)。副業であれば、安定した収入を確保しながらフリーコンサルとしての経験を積むことができます。ただし、労働時間が過度に長時間にならないように注意が必要です。

フリーランスの種類

案件獲得方法を確立する

必要なスキルと経験を積んだら、次は案件を獲得する方法を確立する必要があります。フリーコンサルは自分自身で案件を獲得する必要があるので、一つだけではなく様々な手段を活用することをおすすめします。

具体的には、以下のような方法があります。

案件紹介サービスの活用

フリーコンサル向けの案件紹介サービスを利用して案件を獲得する方法です。

比較的簡単に案件を見つけられる一方、競争が激しいため、スキルや実績をアピールすることが重要です。クライアントから直接受注する方法に比べて、報酬は減ってしまいますが、フリーコンサルとしてまだ実績がない場合は、このようなサービスを利用することをおすすめします。

人脈の活用

以前の職場の上司や同僚、知人などに、独立したことを伝え、仕事を紹介してもらう方法もあります。特に前職がコンサルティングファームであれば、人手不足で困っていることも多いので、継続的に案件を紹介してくれる場合もあります。

また、LinkedInWantedlyなどのビジネス系SNSを活用し、新しい人脈を構築することも大切です。積極的に情報発信や交流を行い、人脈を広げることで、案件の紹介や直接の依頼に繋がる可能性があります。

勉強会や交流会に参加する

ビジネス系の勉強会や交流会に参加することで、各企業の決裁者、役職者と知り合い、情報交換や人脈形成ができます。そこから案件の紹介や共同プロジェクトの話が生まれることもあります。

フリーコンサルの案件獲得

フリーコンサルの案件獲得方法は大きく3つあります。

  1. 一次請け:クライアントから直接受注
  2. 二次請け:コンサルティングファーム・案件紹介会社が請け負った案件を受注
  3. 三次請け:コンサルティングファームが請け負った案件を案件紹介会社が再請負。 更に案件紹介会社から受注

一次請け

一次請けの場合、クライアント企業から直接受注を行うため、コンサルティングファームや案件紹介会社の仲介手数料がありません。そのため比較的高い報酬を得ることができます。クライアントと交渉することで、報酬を値上げできる可能性もあります。

その一方で、案件獲得には企業とのコネクションや人脈が必要となるため、案件獲得難易度は高いです。クライアントから信頼を得るためにも多くの時間と実績が必要となります。また、企業とのコネクションが前提となるため、案件の選択肢の幅は狭まります。

二次請け

二次請けの場合、クライアント企業との間にコンサルティングファームや案件紹介会社が入るため、仲介手数料が発生します。そのため、フリーコンサルとして得られる報酬は一次請けと比べて少なくなります。報酬の交渉も基本的には難しいです。

一方で、案件紹介会社やコンサルティングファームが案件の受注を担ってくれるため、比較的簡単に自分に合った案件を探すことができます。クライアントに対する信頼も案件紹介会社やコンサルティングファームが担保してくれるため、ゼロから実績をつくることは必要ありません。その一方で、ライバルとなるフリーコンサルも多数いるため、自身の強みやスキルを磨くことが大切です。

三次請け

三次請けの場合、コンサルティングファームと案件紹介会社が間に入るため、仲介手数料が二次請けよりも多く発生します。そのため、得られる報酬も二次請けよりも少なくなります。

一方で、二次請けと同様、案件獲得難易度は比較的低いため、コネクションや実績がなくとも始めやすいです。

受注方法別の報酬・案件獲得難易度

ただし、二次請け・三次請けであっても企業に属するコンサルタントと比べて案件獲得の難易度は高いです。

コンサルティングファームに属していれば、会社がスキルを保証してくれますが、フリーコンサルの場合、自ら自身のスキルを証明する必要があります。そしてライバルも多いです。

また、案件紹介会社において常に潤沢に案件があるわけではないので、働きたい時に自分に合った案件がない場合もあります。そのため、色々な案件に対応できるようにスキルを磨いておくことも重要となります。

このようにフリーコンサルの場合、案件獲得のため、企業とのコネクションをつくることや、日々の研鑽により様々な案件に対応できるスキルを身につけることが大切です。

フリーコンサル向け案件紹介サービス

デジタル人材バンク:平均193万円の高単価案件が豊富

デジタル人材バンクは、クラウド人材バンクが運営するフリーランスのハイスキルなデジタル人材と企業側の案件とをマッチングするプラットフォームです。

主な特徴は次の3つです。

豊富な高単価案件

ハイスキル層に特化している点、前身が経営コンサルティング会社でという点を背景として、高単価な案件が豊富にあります。平均人月単価は193万円(2022年5月度実績)となり、人月単価350万円以上の案件もあります。

DX・デジタル案件に特化

デジタル案件に特化して案件収集を行っているため、DX・デジタル案件が豊富にあります(全体の35%)。過去にDX・デジタル案件に取り組んだ経験がある方や更にデジタルの知識・経験を積んでいきたい方におすすめです。

最適な案件マッチング

PwC、デロイト、リクルート、サイバーエージェント出身者が営業を行い、クライアント企業から直請け案件を獲得します。その上で、スキル、キャリア志向を踏まえて最適な案件を紹介します。

デジタル人材バンクでは、以下のような案件例があります。

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テーマDX戦略策定事業戦略PMO
案件概要大手非鉄金属メーカーにおけるDX中計策定大手ネット企業における事業戦略策定大手デベロッパーにおける全社DX推進グループのPMO
報酬250万円/月~240万円/月~250万円/月
働き方原則リモートワーク(一部都内で出社あり)
稼働率 100%
完全リモートワーク
稼働率 50%~
原則リモートワーク(一部都内で出社あり)
稼働率 50%
最新の案件情報はデジタル人材バンクを参照ください

プロフェッショナルハブ:充実したサポート

プロフェッショナルハブ株式会社アサインナビが運営するフリーコンサル向け案件紹介サービスです。ITコンサルタントやPMOに特化した求人・案件を数多く取り扱っています。

主な特徴は次の3つです。

豊富で高単価な案件

大手コンサルティングファームや大手SI企業から直接依頼を受けているため、高単価な案件を豊富に紹介可能となっています。平均単価136万円/稼働率100%(2020年12月コンサルタントレイヤー)です。

上場企業の信頼と実績

東証プライム市場上場のコンサルティンググループが運営。コンサルティング会社を親会社に持ち、多くの大手上場企業と取引実績を有し、幅広いネットワークから多様な案件を紹介可能です。低稼働、スポット稼働、地方や副業・顧問案件など個人のニーズに沿った案件を見つけることができます。

一貫したサポート

フリーコンサルの場合、孤独感というのは大きな課題です。プロフェッショナルハブでは、専属の担当者が丁寧にサポートしてくれます。いきなり一人でやるのが不安という人にとっては非常に嬉しいサービスです。

案件探し〜選考中のアドバイス

強みが伝わるレジュメの書き方や面談方法、キャリアプランに沿った案件の選び方をアドバイス

条件交渉

企業とプロフェッショナルの間に入り、環境整備や条件交渉を専任エージェントがフォロー

参画後フォロー

特に齟齬が起きやすい参画直後は密に連絡を取り、必要に応じて2社面談3社面談を実施

継続的な支援

稼働のフィードバックを通じて、次の参画先選定をサポート。通常は案件終了1〜2ヶ月前から実施

キャリアアップ支援

案件参画に関わるフォローに限らず、フリーランス同士のネットワーク構築や独立を支援

プロフェッショナルハブでは、以下のような案件例があります。

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テーマコンサル-SAPコンサル-PMOコンサル-戦略
案件概要大手メーカーにおけるSAP S/4Hana導入プロジェクト モジュールコンサルタント大手小売業における、基幹システム導入プロジェクト ユーザーサイドPMO大手製造業向けDX支援 若手戦略コンサルタント
報酬~240万円/月~210万円/月~200万円/月
働き方都内出社+リモート
稼働率 100%
都内
稼働率 100%
都内出社+リモート
稼働率 100%
最新の案件情報はプロフェッショナルハブを参照ください

フリーコンサルBiz:独自ルートによるプライム(直請け)案件が豊富

フリーコンサルBiz アクシスコンサルティングが運営するフリーコンサルタント向けプロジェクト案件紹介サービスです。アクシスコンサルティングは外資系・IT業界などハイクラスの転職に強いエージェントですが、2016年からフリーランス向けの案件紹介事業も開始しました。

主な特徴は次の3つです。

独自ルートによるプライム(直請け)案件が豊富

アクシスコンサルティングは転職エージェントということで、様々な企業のCXOクラスとのネットワークを保有しています。そのため、コンサルティングファームを経由しない、事業会社からのプライム(直請け)案件豊富にあります。過去に転職支援した人材からの案件紹介もあり、そのような案件では独占案件となり、好条件かつ選考通過率が高くなります。

高単価で魅力的なプロジェクトに参画できる

事業会社からのプライム(直請け)案件に加えて、コンサルファーム各社ともほぼ全てが直接取引となっており、高単価案件の受注ができます。また、優良上場企業の新規事業立ち上げや成長企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)など、独自性や自由度の高い案件が豊富にあります。

“フリーランス⇔正社員”のハイブリッドなキャリア支援

ファームから事業会社へ転職といったキャリア支援をはじめ、事業会社やファームから独立といったフリーコンサルタントになるための支援を行っている。また、「フリーコンサルから正社員に戻る」というキャリア支援も行っています。

フリーコンサルBiz では、以下のような案件例があります。

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テーマIT PMO事業開発/事業企画ビジネスDD
案件概要クライアントグループにおける共通ITシステム導入におけるITPMO(マネージメント)官民連携グローバルカーボンニュートラルプロジェクトの事業開発/事業企画建設企業向けビジネスDD
報酬140万円~180万円/月 
※100%稼働時
120万円/月程度
※100%稼働時
120万円~200万円/月 
※100%稼働時
働き方原則リモート 
※出社時は東京都港区
リモート、最大3日オンサイト(都内)のハイブリッド勤務リモート、オンサイト(銀座中心)
最新の案件情報はフリーコンサルBiz を参照ください

フリーコンサルBiz は運営会社が転職エージェントということで、独自ネットワークを活かした高単価かつ魅力的な案件が豊富という点が特徴です。転職エージェントということもあり、転職・独立のノウハウが豊富で様々なキャリアに関する支援を受けられるという点も魅力的です。

foRPro:DX関連プロジェクト特化型

foRPro(フォープロ)Regrit Partnersが運営するコンサルタント経験のあるプロのフリーランスをメイン対象とした、プロジェクトマッチングサービスです。

主な特徴は次の3つです。

DX関連プロジェクト特化型

昨今取り組みが加速しているDX関連のプロジェクトを中心とした案件を多数保有しています。DX構想策定のような戦略案件からオペレーション・業務改革・デジタルツール導入・システム刷新の案件など多岐に渡ります。

プライム案件&非公開案件多数

コンサルティングファームや事業会社などの大手・優良企業を中心とした案件を取り扱っています。案件の多くがプライム案件(約30%)となっているため、高単価かつフリーコンサルへの還元率が高くなっていることが特徴です。

案件平均単価 150~200万円

プライム案件を多く抱えていることから余分な手数料が発生せず、案件平均単価150~200万円を実現しています。

foRPro(フォープロ)では、以下のような案件例があります。

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テーマPM/戦略コンサルタントPMOPM/業務コンサルタント
案件概要新規製品の販売戦略策定、実行支援金融/市場取引システム導入大手製薬メーカー/SSC設立および継続的生産性改善支援
報酬160万円~200万円/月 130万円/月程度160万円/月 
働き方リモート/出社(出社時は都内)大阪都内
最新の案件情報はfoRPro(フォープロ)を参照ください

foRPro(フォープロ)はDX関連のプロジェクトが豊富というのが特徴です。DX人材の需要は今後も増えることが見込まれるので、DXの実務経験・スキルを積むといった観点でもDX案件に参画できるというのは非常に良い点だと思います。

アビリティクラウド

アビリティクラウドは、コンサルティングファームであるイグニッション・ポイントの子会社イグニッション・ポイント・フォースが運営する案件紹介サービスです。

主な特徴は以下の通りです。

プライム(直請け)案件が豊富

運営会社の親会社がコンサルティングファームであるため、イグニッション・ポイントが直接受注する案件に参画する機会があります。イグニッション・ポイントは、多数の大手企業との取引実績があり、電通グループと資本提携を行っているため、様々なネットワークからの多様な案件が期待できます。

高単価×長期案件が豊富

余計な中間マージンが発生しない直接依頼案件が多いため、高単価な案件紹介が可能となっています。支払い単価250万円の高額案件の実績もあります。また、クライアントとの信頼関係に基づく、長期案件が多数あり、平均継続12.3ヶ月となっています。収入が不安定になりがちなフリーコンサルにとっては、長期継続できる案件は非常に魅力的です。

アビリティクラウドでは、以下のような案件例があります。

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案件名SAP COコンサルPMOPM/PMO
案件概要製造業におけるSAP 原価計算、予算管理モジュールの導入を支援製薬業におけるSAP ERP 6.0 HCMからSAP SuccessFactorsへの移管プロジェクト支援日本と欧州の製造業M&A企業統合に伴う、
Applicationの整理や統合に関するプロジェクトマネージメント業務支援
報酬150~170万円200~230万円210万円
働き方原則リモート原則リモート
※神谷町オフィス(神谷町駅徒歩7分)への出社可能性あり
関東 埼玉県
最新の案件情報はアビリティクラウドを参照ください

ProConnect(プロコネクト)

ProConnect(プロコネクト)はイーストフィールズ株式会社(新社名:株式会社WorkX)が運営するフリーコンサル向けの案件マッチングサービスです。「フリーランス・企業、すべてのステークホルダーにとって、最適な働き方を実現する。」を理念として、本サービスやコンサルティングサービスを提供している企業です。

主な特徴は以下の通りです。

マージンが公開(ベース8~15%)

ProConnectでの案件では、マージンが公開されており、フリーコンサルは報酬に納得した上で案件を受けることができます。プラットフォーム型とエージェント型に分かれていますが、マージンは8~15%がベースとなっています。

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項目プラットフォーム型エージェント型
概要ProConnectに掲載されている案件に自ら応募ProConnectがフリーコンサルに合った案件を仲介
企業からの支払額160万円160万円
マージン8%(12.8万円)15%(切り上げ30万円)
フリーコンサルへの支払額147.2万円130万円

マージンが公開されていないと不相応な報酬で案件を担当させられる可能性があります。一方で、マージンが公開されていれば、案件の難易度と報酬が見合っているか確認できるので、案件を受けるかどうか正しく判断できるので、安心して利用することができます。

ハイクラス人材に限定し、品質を担保

ProConnect(プロコネクト)で案件を受けられるのは書類審査を通過した人のみで、平均単価は170万円/人月となっています。これは、レベルで言うとシニアマネージャーに相当する単価で、それ相応のスキルが求められるということを意味します。

ProConnect(プロコネクト)における各人材のレベルと案件の例は下記の通りです。

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案件名戦略コンサル業務コンサル業務コンサル
人材レベル40代男性
設定単価180万〜/人月
登録から5営業日でアサイン 経営戦略、新規事業の立ち上げなど戦略周りに関してご経験豊富
20代男性
設定単価160万〜/人月
4年ほど大手コンサルファームで物流改善PJやSAP導入PJへ多数ご参画経験あり
30代男性
設定単価140万〜/人月
国内コンサルファームで業務改善プロジェクトをメインに新規事業の立ち上げを多数ご経験
案件概要ロボット関連DXコンサル立ち上げ/JV設立に伴う業務支援グループ一体的なサプライチェーンのオペレーション改革大手小売HDの改革プロジェクトのPMO
報酬160万円(稼働率80%)180万円(稼働率100%)140万円(稼働率80%)
働き方東京23区内
リモート+出社
東京23区内
フルリモート
東京23区内
リモート+出社
最新の案件情報はProConnect(プロコネクト)を参照ください

フリーコンサルのスキルアップ方法

フリーコンサルとして活躍し続けるためには、常にスキルアップを意識することが重要です。ここでは、代表的なスキルアップ方法とその特徴をまとめます。

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方法概要メリットデメリット費用
資格取得経営、IT、財務など、専門分野の資格を取得する。信頼性向上、専門性の証明、知識体系の整理時間と費用がかかる、資格によっては実務との乖離がある場合も数万円~数十万円(資格による)
MBA取得国内外のビジネススクールでMBA(経営学修士)を取得する。経営戦略、リーダーシップ、問題解決能力など総合的なスキルアップ、人的ネットワーク構築費用と時間がかかる、キャリアの中断が必要な場合も100万円~数千万円(国内・海外、コースによる)
セミナー・研修受講業界動向、最新技術、ビジネススキルに関するセミナーや研修を受講する。最新情報の入手、人脈形成、実践的なスキル習得受講料がかかる、内容によっては実務に直結しない場合も数千円~数十万円(内容による)
書籍ビジネス書、専門書などで学習する。自分のペースで学べる、費用が比較的安い自己管理が必要、実践的なスキル習得には限界がある場合も数百円~数万円(内容による)

資格取得

フリーコンサルにとって資格取得は、自身の専門性をアピールするための有効な手段です。資格の有無によって、採否が決まる場合もあるため、自身の取り組みたい領域の資格を取得しておくことをおすすめします。

例えば、フリーコンサルでは以下のような資格を取得していると有利になります。

  • 中小企業診断士:中小企業の経営課題を診断し、経営改善計画の策定・実行支援を行うための国家資格
  • ITストラテジスト:企業の経営戦略に基づいたIT戦略の策定・実行を支援するための国家資格
  • システムアーキテクト:システム全体の設計・構築を統括する専門家としての能力を証明する国家資格
  • PMP:プロジェクトマネジメントに関する知識や経験を有することを証明できる資格
  • 簿記・会計に関する資格:企業の財務会計に関する知識を有することを証明できる資格
  • 英語系資格:TOEIC、TOEFL、英検など英語によるコミュニケーション能力を証明できる資格
  • JDLA認定資格(G検定・E資格):AIの全体像、ビジネスへの応用、実装に関する知識・経験を証明できる資格

資格取得には一定の費用・期間を要するため、計画を立て、講義の受講、学習を進めていく必要があります。

MBA取得

MBA(Master of Business Administration)は、経営学の修士号であり、ビジネススクールで経営に関する専門知識やスキルを体系的に学ぶことができます。経営戦略、マーケティング、ファイナンス、会計、組織行動学など、幅広い分野をカバーしており、フリーコンサルとして様々な領域で活躍できることを示すことができます。

ただし、MBAは費用・期間を要するため、自身のキャリアアップに本当に必要かを検討した上で、取り組むことをおすすめします。

セミナー・研修受講

フリーコンサルとして、セミナーや研修を受講することで、業界のトレンド、最新技術、法改正など最新のビジネス動向をキャッチアップすることができます。また、ワークショップ、グループディスカッションを実践できる場合もあるため、実際のビジネスでも活用できる実践的なスキルを身につけることもできます。

副次的な効果として、セミナーや研修で人脈を形成することができます。同じフリーコンサルや企業の担当者なども参加している場合もあるため、情報交換や交流を通じて、案件獲得へとつなげることができる場合があります。

無料のセミナーなどもありますが、そのようなセミナーは会社の製品紹介などを目的としている場合が多いです。数千円から数万円の費用はかかりますが、有料のセミナーの方が品質が高く、求める情報を入手しやすいです。

書籍

ビジネス書、専門書などで学習する方法もあります。

こちらは自分のペースで学習することができ、自分が深めたい専門知識に特化して学習することができます。書籍によっては実戦形式で学ぶことができます。1冊あたり1,000円~5,000円なので、比較的安価に学習を進めることができます。

一方で、書籍はある程度時間をかけて出版されるため、最新の情報が反映されていないことが多いです。また、独力で学習を進めていく必要があるため、強い自立心が求められます。

まとめ

以上、フリーコンサルの概要、メリット、年収、働き方、案件獲得方法、学習方法について解説しました。

今後、フリーコンサルの需要はさらに大きくなり、専業で高収入を実現することも夢ではありません。そのためには、自身の専門領域においてスキルを磨き続けることが必要となります。また、案件獲得のために様々な手段を活用していかなければいけません。徐々に実績を積み上げることで、クライアントからの信頼を得て継続的に案件を受注することができます。

もしフリーコンサルに興味があれば、是非本記事を参考にしてみてください。

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