なぜジョブ型雇用?企業が導入を進める理由と導入のポイント

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ジョブ型雇用の概要

ジョブ型雇用とは

ジョブ型雇用とは、企業が用意した職務内容(ジョブ)に必要な能力や経験がある人を雇用する制度です。採用してから職務を割り当てるのではなく、職務ありきで人を採用します。

ジョブ型雇用では、明確なジョブディスクリプション(職務記述書)のもとに雇用されます。業務内容や責任の範囲、必要なスキル以外にも勤務時間や勤務場所などを明確に定めた上で雇用契約を結びます。そのため、別部署への異動や転勤などは無く、昇格・降格も基本的にはありません。

ジョブディスクリプション(職務記述書)には以下のような項目が記載されます。

基本情報

  • ジョブタイトル(職種名): 例:Webマーケティング担当、ソフトウェアエンジニアなど
  • 所属部署: 例:マーケティング部、開発部など
  • 報告先: 直属の上司の役職
  • 雇用形態: 正社員、契約社員、パートタイムなど
  • 勤務地: 本社、支社、リモートワークなど

職務内容

  • 職務概要: 担当する業務内容の全体像を簡潔に説明
  • 職務責任: 達成すべき目標や責任範囲
  • 具体的な職務内容: 具体的な業務内容を箇条書きで列挙
  • 使用ツール・スキル: 業務で使用するツールや必要なスキル
  • KPI・評価基準: 業績評価の指標や基準

必要なスキル・経験

  • 必須条件: 業務遂行に必須のスキル、経験、資格など
  • 歓迎条件: あれば望ましいスキル、経験、資格など
  • 求める人物像: 仕事に対する姿勢や価値観など

その他

  • 給与・待遇: 給与、賞与、福利厚生などの情報
  • 勤務時間・休日: 勤務時間、休日、休暇などの情報

ジョブ型雇用のジョブディスクリプションを作成する際は、具体的かつ網羅的に記載する必要があります。ジョブディスクリプションは、採用活動だけでなく、社員の評価、育成、キャリア開発など、様々な場面で活用されます。

ジョブ型雇用が注目される背景

社会環境の変化

終身雇用制度が見直され、転職が一般的になったことで、個人のスキル・経験をより明確にすることが求められるようになりました。その中で、より競争力の高い人材、新しい職種・スキルに対応できるような人材のニーズが高まってきました。そのような専門性の高い人材を確保するため、個人のスキルに着目したジョブ型雇用が注目されるようになりました。

企業型の課題

企業側としては人材不足の中、専門性の人材を確保することが困難になってきました。そのような中、ジョブ型雇用はスキルの高い人材に対して魅力的な条件を示す有効な手段といえます。また、特定領域においてスキルの高い人材を活用することによって、組織全体の生産性を向上することも期待できます。

メンバーシップ型雇用と異なり、人材を常用雇用するのではないため、人件費の適正化や無駄な業務の削減にもつながると期待されています。

メンバーシップ型雇用との違い

ジョブ型雇用に対して、人に職務を充てる考え方をメンバーシップ型雇用といいます。

現状、日本企業の多くはメンバーシップ型雇用を採用しています。高度経済成長下において企業を成長させるためには従業員の”数”を募集することが優先されました。そのため、新卒者を大量に一括採用し、囲い込み業務内容に適した人材に育成することが重視されました。

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いは以下の通りです。

項目ジョブ型雇用メンバーシップ型雇用
基本概念職務に人を充てる人に職務を充てる
採用の対象仕事内容にマッチする人材会社にマッチする人材
採用の時期中途採用新卒一括採用
採用の条件職務内容や勤務条件が明確に定義されたうえで雇用職務や勤務地を限定することなく新卒で正社員を一括採用し、長期にわたって雇用
雇用契約条件が明確化された雇用契約年功序列の終身雇用で離職を抑止し、企業側の都合で人を異動させる雇用
評価方法即戦力で採用され能力やスキルのみで判断されるため成果次第では人事評価が高くなり、早期昇格があり得る年功序列であることから縦横の玉突き移動がおこなわれることが多く、早期昇格や降格が起こりにくい
業務内容雇用契約以外の業務を担うことがないため、自分の専門業務に専念できる明確な業務内容は定義されておらず、転勤、異動、ジョブローテーションを繰り返しながら色々な業務をこなす
給与職務による(職務給)職位・役職による
配置転換・異動基本的にはない、または、少ない基本的にはあり
雇用保障弱い。職務要件を満たさなくなれば、解雇もありうる強い。不当な解雇はできない

ジョブ型雇用のメリット・デメリット

ジョブ型雇用は、企業と従業員双方にとってメリットとデメリットがあります。以下に、それぞれの立場から見たメリット・デメリットをまとめました。

企業目線のメリット・デメリット

メリットデメリット
ジョブに基づき、専門性、即戦力性の高い人材を獲得できる

必要なスキルを持つ人材を的確に採用・配置できるため、生産性向上や業務効率化に繋がる

ジョブディスクリプションに基づき、成果や能力に応じた評価を行うことができるため、評価制度の公平性・透明性が向上する
短期的な成果を求める傾向が強くなり、長期的な人材育成がおろそかになる可能性がある

ジョブへの貢献度が重視されるため、企業への帰属意識が低下し、離職率が高まる可能性がある

ジョブディスクリプションの作成や定期的な見直し、ジョブの変更・廃止に伴う対応など、運用面での負担が増える

個人目線のメリット・デメリット

メリットデメリット
自身のキャリアパスを主体的に設計し、専門性を高めることができる

ジョブに必要なスキルを明確化することで、目標を持ってスキルアップに取り組める

成果に応じた評価・報酬が期待できるため、モチベーション向上に繋がる
ジョブがなくなると雇用契約も終了するため、雇用の安定性が低下する可能性がある
過度な成果主義は、従業員のストレス増加や燃え尽き症候群を引き起こす可能性がある

特定のジョブに特化することで、キャリアの幅が狭まる可能性がある

日本企業におけるジョブ型雇用の導入事例

2010年代後半から大手企業を中心にジョブ型雇用を導入する企業が現れ始めました。

企業名概要
日立製作所2020年4月から新卒・既卒者の採用戦略を「メンバーシップ型」から「ジョブ型」に転換。

2023年は経験者(600人)と新卒(600人)合わせてジョブ型採用の比率を95%(1200人中1140人)にすると発表
富士通2020年4月より幹部社員を中心にジョブ型人事制度を導入しています。2022年4月をめどに、国内外のグループ企業の約45,000名でジョブ型雇用を導入。

従業員一人ひとりの職務内容について、期待する貢献や責任範囲を記載した「Job Description(職務記述書)」を作成。

職責の高さを表す当社グループグローバル共通の仕組みである「FUJITSU Level」を導入し、レベルに応じた報酬水準とする。
資生堂2015年10月に管理職層からジョブ型雇用を導入し、2021年1月には一般社員へと拡大。

ジョブ型雇用制度を日本の風土にもあうようカスタマイズした「ジョブグレード制度」を導入。20以上のジョブファミリー(領域)と、ジョブファミリーそれぞれのジョブディスクリプション(職務定義書)を用意
パナソニックコネクト2023年4月から国内で勤務するパナソニックコネクトの社員、約1万2千人が対象にジョブ型雇用を導入。

約1400の職務を定義し、難易度や重要性に応じて賃金を設定。
KDDI2021年4月から全総合職を対象に「KDDI版ジョブ型人事制度」を導入。

グレード定義書と30の専門領域を定めた専門領域定義書により、求められる職務・スキルを具体化・詳細化。
双日2021年3月19日に「双日プロフェッショナルシェア(SPS)」を設立。

35歳以上の社員のやりたいことを支援するキャリアプラットフォームとして、ジョブ型雇用を採用。
三菱ケミカル2020年10月にジョブ型雇用を導入し、2021年度から一般社員にも適用。

人材需要発生時の配置は、原則として社内公募を活用し、意欲・能力のある人材配置を実現。
各社公開情報に基づき作成

また、2024年5月9日、人事行政諮問会議中間報告では、職務をベースとした人事制度・運用に基づくマネジメントと報酬水準の設定が提起されています。国家公務員においてもジョブ型雇用を採用し、専門性の高い民間人材の採用を進めていく動きがみられます。

人事行政諮問会議中間報告

一方で、日本能率協会の調査によれば、部分的にでもジョブ型雇用を導入している企業は22.3%とまだまだ普及は進んでいないようです。

日本能率協会「当面する企業経営課題に関する調査 -組織・人事編2023-」

ジョブ型雇用普及の課題

上記の通り、メリットも多いジョブ型雇用ですが、実態としては日本企業においてそこまで普及は進んでいません。

業務の切り分けが困難

まず、ジョブ型雇用を推進するためには、一人ひとりのジョブの内容が明確に定義されていることが必要ですが、メンバーシップ型雇用を採用していた企業では、多くの業務が属人的で明確に定義・文書化されていないことがほとんどです。

そのため、まずは既存の業務を整理し、一つ一つのジョブ単位に切り分け、定義するということからスタートしないといけないのですが、それにも相応の労力が必要となります。また、明確に切り分けが困難な業務も存在するため、どこまでを一つのジョブとするかも考えないといけません。

終身雇用・雇用の安定性

依然として日本企業では終身雇用や年功序列が残っている企業が多く、企業内のスキルを持った優秀な人材があまり転職しないということがあります。言い換えれば、雇用が安定しているということで、現状の待遇を捨ててまで、ジョブ型雇用を選択するということが多くはありません。

そのため、ジョブ型雇用で期待する人材が転職市場に流出するということが少なく、ジョブ型雇用を導入しても人材が集まらないのです。

また、社内の人材についても同様で、メンバーシップ型雇用を前提として採用された人材が、いきなりジョブ型雇用のため専門領域を伸ばすためのスキルアップやリスキリングを行うことは困難だと言えます。人材育成やキャリア形成支援の施策を併せて推進しなければジョブ型雇用は上手く機能しません。

労働人口の減少

また、業界全体として労働人口が低下している現状において、ジョブ型雇用で専門性の高い人材を確保することは難しいと言えます。

一方で、ジョブ型雇用により働き方の多様性を認めることで、外国人、シニア、育児・介護をしないといけない人などこれまで採用が難しかった人材を採用できる可能性もあります。そのため、いかに柔軟な働き方、適切な待遇を認めるかが採用競争においては重要になります。

組織力の低下

また、企業目線ではジョブ型雇用により、組織力が低下することも懸念として挙げられます。

ジョブ型雇用では、ジョブディスクリプションに記載されている業務内容を遂行すれば良いことになり、他の従業員とのコミュニケーションの機会も限られます。そのため、組織の一体感やチームワークが低下する可能性があります。

また、業務がジョブディスクリプションに記載した内容に限定されるということで、付随的に発生した業務については他の従業員が対応せざるを得ないという状況が発生します。ジョブ型雇用で採用された従業員とメンバーシップ型雇用で採用された従業員の間で業務量の不平等が生じ、不満や軋轢が生まれる可能性もあります。

ジョブ型雇用が働き方・キャリア形成に与える影響

ジョブ型雇用は、従来のメンバーシップ型雇用とは異なる特徴を持つため、働き方やキャリア形成に大きな影響を与えます。

働き方への影響

ジョブ型雇用では、成果に基づいた評価・報酬制度が採用されるため、常に成果を意識して働くことが求められます。メンバーシップ型とは異なり、ジョブディスクリプションで期待されている職務内容を達成できなければ、降格や減給といったことも起こりえます。そのため、常に自身の専門性を磨き続けていかなければいけません。

その反面、成果主義に基づいた評価制度により、労働時間にとらわれず、効率的に働くことができます。職務内容によっては、リモートワークやフレックスタイム制など、働き方の選択肢が増えます。

キャリア形成への影響

メンバーシップ型雇用の場合、会社がある程度のキャリアパスの指針を示してくれますが、ジョブ型雇用の場合、自身のキャリアパスを主体的に設計する必要があります。そして、特定の分野での専門性を磨き続ける必要があります。

ジョブ型雇用では、ジョブがなくなると雇用契約も終了する可能性があるため、転職が多くなる傾向にあります。そして、転職によって更なるキャリアアップも実現することができます。自分自身に合ったジョブを見つけるため、常に情報収集を行うことが期待されます。

ジョブ型雇用導入のポイント

人事制度の見直し

ジョブ型雇用を導入するに当たっては、人事制度の見直しが必要となります。

通常、メンバーシップ型雇用の社員向けの人事制度が存在しているため、メンバーシップ型雇用とジョブ型雇用をどのように並立させるかが論点になります。どのような職務を対象にジョブ型雇用を導入するかを決定する必要があります。また、現在の非正規雇用の社員をジョブ型に転換するという方法もあります。

ジョブ型雇用の導入方法には以下のようなものがあります。

部分導入型

特定の職種や部門に限定してジョブ型雇用を導入する形態です。導入の初期段階や、ジョブ型雇用への移行を段階的に進めたい場合に適しています。

特定の職種で成果を検証し、効果を確認してから全社的な導入を検討することができます。ただし、部門間の不公平感や制度の複雑化といった課題が生じる可能性があります。

併用型

既存のメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用を併用する形態です。コア人材や専門性の高い職種にはジョブ型雇用を適用し、その他の社員はメンバーシップ型雇用を継続します。

両者のメリットを活かし、デメリットを補完することができます。ただし、制度設計や運用が複雑になる可能性があります。

全面導入型

全社員を対象にジョブ型雇用を導入する形態です。企業文化や人事制度を根本的に変革し、ジョブ型雇用を定着させることを目指します。

社員の自律性や能力開発を促進し、組織全体の活性化に繋がります。ただし、導入コストや運用負荷が高く、社員の抵抗感も大きい可能性があります。

評価・報酬制度の見直し

人事制度の変更に合わせて、評価・報酬制度の見直しも必要となります。

ジョブ型の場合、期待される業務の質、成果の内容に基づき、あらかじめ報酬が決定されることが一般的です。報酬を決定するにあたっては、労働市場においてそのポジションに支払われている報酬額を参考に設定します。この報酬が低すぎると他社との採用競争に負けてしまう可能性があります。

ジョブ型雇用の社員を評価する制度を設ける必要があります。評価基準はジョブディスクリプションに記載された職務内容や求められるスキルと整合する必要があります。定量的な指標、定性的な指標の双方を組み合わせ、多面的な評価基準に基づき、期待される成果が達成されるか確認します。

評価方法についても、上司だけでなく、同僚や部下からもフィードバックを受ける360度評価を採用し、より正確で公平性の高い評価を行うことも考えられます。

例えば、KDDIでは成果・挑戦評価・能力評価を分け、それぞれの評価方法を定めています。

KDDI株式会社

ジョブディスクリプションの作成

ジョブ型を導入する職務に関してジョブディスクリプションを作成します。再掲となりますが、ジョブディスクリプションには以下のような項目をできる限り、網羅的かつ具体的に記載します。ジョブディスクリプションは定期的な見直しを行い、常に最新な状態を保つ必要があります。

基本情報

  • ジョブタイトル(職種名): 例:Webマーケティング担当、ソフトウェアエンジニアなど
  • 所属部署: 例:マーケティング部、開発部など
  • 報告先: 直属の上司の役職
  • 雇用形態: 正社員、契約社員、パートタイムなど
  • 勤務地: 本社、支社、リモートワークなど

職務内容

  • 職務概要: 担当する業務内容の全体像を簡潔に説明
  • 職務責任: 達成すべき目標や責任範囲
  • 具体的な職務内容: 具体的な業務内容を箇条書きで列挙
  • 使用ツール・スキル: 業務で使用するツールや必要なスキル
  • KPI・評価基準: 業績評価の指標や基準

必要なスキル・経験

  • 必須条件: 業務遂行に必須のスキル、経験、資格など
  • 歓迎条件: あれば望ましいスキル、経験、資格など
  • 求める人物像: 仕事に対する姿勢や価値観など

その他

  • 給与・待遇: 給与、賞与、福利厚生などの情報
  • 勤務時間・休日: 勤務時間、休日、休暇などの情報

キャリア形成支援

ジョブ型雇用では、個人がキャリアを自律的に形成することが期待されますが、企業からキャリア形成を支援することも大切です。上司や先輩との1on1を通じて、キャリアに関する相談ができるようにしたり、研修制度などを設けることで、個人が主体的にキャリアを考える仕組みを提供します。

例えば、KDDI株式会社では下記のような様々な取組みを通じて、ジョブ型雇用社員の自律的な相互発信や学習を促進することを試みています。

KDDI株式会社

ジョブ型雇用の今後の展望

ジョブ型雇用に関して普及の課題はあるものの、以下のような要因により、中長期的にはジョブ型雇用は徐々に普及していくと考えられます。

国際競争力の向上

今後、企業の国際競争力を高めていくためには、より専門性の高いスキルを持った人材を確保する必要がある。そのような人材を新卒者からゼロから育成するのは困難です。そのため、スキルや職務内容を限定し、特定の職務に特化したスペシャリストを採用していく傾向が強まります。

また、そのような高いスキルをもった人材にとって、メンバーシップ型雇用のような、職務・職位に応じた給与体系、ジェネラリストの働き方は魅力的ではないことが多いです。業務内容に応じた高い給与が得られ、自分の得意領域の業務だけを行えるということが理想的な働き方といえます。

人材・働き方の多様化

労働力人口の減少、グローバル化に伴い、働く人材と働き方が今後多様化していくことが考えられます。例えば、人材の観点では、外国人、シニア、育児・介護をしないといけない人など、働き方の観点では、フルタイム以外での働き方、テレワークなどが増加すると考えられます。

そのため、働き手自身が自分に合った働き方を選択することができるジョブ型雇用の方がメンバーシップ型雇用に比べて適していると考えられます。自分の好きなタイミングで、自分の得意領域だけを業務として遂行すれば、業務内容に見合った給与を得られるということで、非常に働きやすいです。

これは企業目線でも、これまで採用候補対象外だった人材を採用する可能性を拡大するということでもあり、人材不足を解消することにもなります。

参考:ジョブ型雇用の従業員に対し、使用者は本人合意のない配置転換を命じる権利を持たないとする判決

2024年4月26日、最高裁判所は、特定職種に限定された労働契約(ジョブ型雇用)において、使用者が労働者の同意なく別の職種への配置転換を命じることは違法であるとの初判断を示しました。

本件では、福祉施設で技師として長年勤務した男性が、施設側の都合で総務課への異動を命じられたことを不服として訴訟を起こしました。二審では、配置転換には解雇回避の目的があり、異動先にも合理的な理由があるとして適法と判断されましたが、最高裁はこれを覆し、職種限定の合意がある場合は労働者の同意なしに配置転換はできないとしました。

この判決は、ジョブ型雇用が広がる中で、労使間の合意形成の重要性を改めて強調するものとなります。今後、ジョブ型雇用を導入しようとする企業は、労働者との合意形成を適切に行い、労働条件の変更には十分な配慮が必要となることを示しています。

まとめ

ジョブ型雇用は従来のメンバーシップ型雇用とは異なり、専門性の高い人材を確保し、業務品質の向上、生産性の向上を期待することができます。企業が人手不足を解消し、競争力を高める手段として今後も多くの企業で採用されることが見込まれます。

一方で、ジョブディスクリプションで職務を明確にし、ジョブディスクリプションと整合した評価制度を適切に定める必要があります。曖昧な内容があると企業と労働者の間でのつながる可能性があるため、これらの設計・運用については慎重になる必要があります。

ジョブ型雇用のキャリア、または、ジョブ型雇用の人事制度に興味のある方は、本記事を参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

コンサルティングファームにおいて様々な業界で経験を積み、人材領域で業界の知識を活かしたく、本サイトを運営しております。すべての人が適職で活躍できるような社会を実現するため情報提供をして参ります。

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