近年、ゲーム業界の市場は大きく成長しており、コンテンツ市場では地上波テレビ番組に次ぐ大きな市場になっています。また、ゲームアプリの台頭、サブスクリプション、クラウドゲーミングの登場など、新しい流れが生まれつつあり、非常に盛り上がりを見せている業界の一つです。
ゲーム業界においては、非常に多様な職種の方がはたらいており、年収1,000万円を超えるような職種もあります。また、企業も従来の大手ゲームメーカーばかりでなく、小規模なゲームメーカーも続々と登場しており、転職の選択肢も幅広くなっています。
本記事では、ゲーム業界の市場規模、ビジネスモデル、業務内容、職種、近年のトレンド、ゲーム業界の企業について解説していきたいと思います。ゲーム業界の転職を希望されている方、ゲーム業界に興味を持たれている方は是非参考にしてみてください。
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市場規模
ゲーム業界の市場規模は、国内・海外ともに成長を続けています。
国内ゲーム市場
「ファミ通ゲーム白書2024」によれば、2023年の国内ゲーム市場規模は2兆1,255億円と推計されています。2020年以降、コロナ禍の巣ごもり需要を契機にゲーム市場は大きく拡大しています。
内訳としては、スマートフォン、タブレット、パソコンなどを利用したオンラインプラットフォームが1兆4,715億円(約69%)と最も大きくなっています。そして、家庭用ソフトが3,865億円(約18%)、家庭用ハードが2,675億円(約13%)と続きます。
2023年の世界ゲームコンテンツ市場規模は、29兆5,162億円と推計されています(同一為替レートでの前年比3.1%増)。アジア地域が市場を牽引しており、北米、欧州がそれに続きます。全世界と比べても日本は7%の市場を占めており、日本におけるゲーム業界が非常に盛り上がっていることが分かります。
コンテンツ市場におけるゲームソフト市場規模
他のコンテンツ市場との比較では、ゲームソフト市場は、地上波テレビ番組に次いで大きい1兆6,649億円です。すでに新聞よりも大きな市場を形成していることが分かります。
ビジネスモデル
ゲーム業界では、従来は家庭用ハード向けにゲームソフトを販売する形式が主流でしたが、インターネット、スマートフォンの普及によりビジネスモデルは多様化しています。ゲーム業界のビジネスモデルを大きく分けると以下の6分類に整理できます。
- パッケージ販売×ソフト販売
- パッケージ販売×ダウンロード
- フリーミアム×広告収益
- フリーミアム×アイテム課金
- サブスクリプション×ダウンロード
- サブスクリプション×クラウド
パッケージ販売×ソフト販売
「パッケージ販売×店舗販売」は、Nintendo Switchやプレイステーション5などの家庭用ハードに向けてゲームソフト(物理的なメディア)を販売するモデルです。国内においては歴史の長いモデルで、ゲームソフトは店舗や通販などで販売されます。パッケージの製造、流通、在庫管理などコストがかかるため、下記のダウンロード版に比べて価格が高くなる傾向にあります。
パッケージ販売×ダウンロード
「パッケージ販売×ダウンロード」は、家庭用ハードやPCにゲームソフトのデータをユーザーにダウンロードさせ、販売するモデルです。特定の家庭用ハードでしかプレイできないものもありますが、PCやスマートフォンなど様々なデバイスでプレイできるゲームも多いです。基本的には売り切り型で、ダウンロードすれば完全版のゲームをプレイできますが、中にはダウンロードコンテンツなどを配信する場合もあります。物理的なメディアはないので、ソフト販売に比べて価格は安い傾向にあります。
フリーミアム×広告収益
「フリーミアム×広告収益」は、スマートフォンやPCにダウンロードしてプレイするゲームにおいて、基本的にはプレイ無料ですが、ゲーム内に広告が表示されるというモデルです。ゲーム販売会社は広告掲載料などで収益を得ています。ユーザーには料金は発生しませんが、ゲーム内に広告が表示されることでユーザーの体験を阻害する場合もあります。下記のアイテム課金と組み合わされる場合もあります。
フリーミアム×アイテム課金
「フリーミアム×アイテム課金」は、スマートフォンやPCにダウンロードしてプレイするゲームにおいて、基本的にはプレイ無料ですが、ゲーム内で購入できるアイテムやガチャで課金するモデルです。特にモバイルゲームで用いられることが多く、キャラクター、衣装、能力、ガチャなど様々な課金アイテムがあります。安定した収益を得るためには、継続的に課金するユーザーを確保する必要があり、魅力的なアイテム、コンテンツなどの供給が必要になります。
サブスクリプション×ダウンロード
「サブスクリプション×ダウンロード」は、ユーザーが月または年の定額料金を支払うことで、多数のゲームをダウンロードしてプレイできるモデルです。ユーザーは多数のゲームを定額でプレイできるというメリットがある一方で、サービスを解約するとプレイできなくなるというデメリットもあります。また、プレイ可能なゲームのラインナップも限定されており、サービス提供側の都合で、ゲームがラインナップから削除される場合もあります。加えて、自分のPCやスマートフォンにダウンロードが必要になるため、デバイスのストレージを圧迫する可能性もあります。
サービス例としては、Xbox Game Pass、PlayStation Plus、Apple Arcadeがあります。
サブスクリプション×クラウド
「サブスクリプション×クラウド」は、ユーザーが月または年の定額料金を支払うことで、クラウドサーバー上で多数のゲームをプレイできるモデルです。ゲームをダウンロードせずにクラウドサーバー上でプレイするため、ハイスペックなゲーミングPCがなくてもプレイできるのが特徴です。一方で、安定した通信環境でプレイする必要があります。また、「サブスクリプション×ダウンロード」と同様に、サービスを解約するとプレイはできなくなります。
サービス例としては、GeForce NOW、PlayStation Now、Xbox Cloud Gamingがあります。
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ゲーム業界の業務内容
ゲーム業界においては、企画、開発、テスト、マーケティング・販売、運営・事務といった業務があります。それぞれの詳細は以下の通りです。
企画
まず、ゲームを開発するにあたって、ゲームのコンセプトや方向性を決定します。ユーザーニーズや競合のソフトなどに基づき、面白く、かつ、一定の売上が見込めるゲームのコンセプトを考えます。定めたコンセプトに基づき、ターゲット、予算、収益性、独自性、スケジュールを整理し、企画書を作成します。その上で、経営層の承認をもらい、開発に着手できる状態にします。
開発
企画に対して経営層の承認を得られれば、開発に着手します。ただし、いきなり完成版をつくるのではなく、簡易的なプロトタイプを少人数のチームで進めていきます。プログラミング、グラフィック、サウンドなど開発の方向性を確認し、問題点や改善点を洗い出します。
次にプロトタイプを基に、ゲーム全体の詳細設計を行い、本格的な開発を行います。以下のような業務を役割分担しながら進めていきます。
- プログラミング:企画や仕様書に基づき、ゲームシステムの設計・実装を行う。
- グラフィック制作:キャラクター・背景・アイテムなどのデザイン、作成を行う。
- サウンド制作:ゲーム内のBGM、効果音、ボイスなどを作成・編集。
- レベルデザイン:ゲームのステージ構成、マップを作成し、バランス調整を行う。
- シナリオ制作:ゲームのストーリー、キャラクター設定、セリフなどを考える。
テスト
開発したゲームをリリースする前に、品質を確保するため複数回テストを行います。テストは以下のような目的で実施されます。
- バグの発見と修正:プログラムの誤りや不具合を発見し、修正を行う。
- ゲームバランスの調整:ゲームの難易度、キャラクターの強さなどを調整し、ユーザーが楽しめるバランスに調整する。
- 操作性・UI/UXの改善:ユーザーの操作性、画面などを確認し、より快適にプレイできるように改善する。
- パフォーマンスの最適化:大量なアクセスが発生した場合でも、安定してゲームが動作するかを確認する。
- 多様な環境での動作確認:様々なデバイス、OS、ネットワーク環境でゲームが正常にプレイするかを確認する。
発見された不具合・問題点は詳細に記録し、開発へと報告を行います。
マーケティング・販売
開発されたゲームをユーザーに届けるため、戦略を立てた上で、広報活動・営業活動を行います。
- マーケティング・販売戦略立案:市場調査・競合調査に基づき、価格設定、販売目標、プロモーション計画を策定する。
- プロモーション:戦略に基づき、プレスリリース作成、メディア対応、広告掲載などゲームの認知度、購買意欲を高める活動を行う。
- 営業:ゲームの販売業者・小売店、ゲームプラットフォーマーなどと販売契約を締結し、販売促進を行う。
カスタマーサポート
カスタマーサポートでは、発売後のゲームに関する問い合わせやクレームの対応を行います。顧客の問題解決を行うと同時に、顧客の意見を企画や開発担当者に伝え、今後のゲーム開発に活かしていきます。
運営・事務
ゲームの開発・販売だけでなく、企業を維持・運営するためにバックオフィスの役割が必要不可欠です。
法務
法務はゲームの開発、販売、運営などあらゆる場面において法的な側面でサポートを行います。
- 契約関連業務:ゲーム開発委託契約、パブリッシング契約、ライセンス契約、業務委託契約、秘密保持契約など、様々な契約書の作成・審査を行う。
- 知的財産管理:自社のゲームのキャラクター、音楽、ストーリーなどの著作権を管理し、権利侵害から保護を行う。その他、特許や商標を登録し、模倣や不正利用を防ぐ。
- 紛争対応:著作権侵害、契約違反、不正競争など、紛争に対して訴訟や交渉などを通じて対応を行う。
経理
法務はゲームの開発、販売、運営などあらゆる場面において入出金の管理を行い、給与や協力会社の支払いなどを担当します。また、予算を策定の上で、予算と実績を比較・分析を行い、開発・運営の改善に活かしていきます。その他、ゲーム開発に必要な資金を確保するため、銀行借入、増資、社債発行など、適切な資金調達方法を検討します。
人事
人事では、上記で紹介したような業務を遂行するための人材の採用活動、離職を防ぐためのリテンションを行います。また、従業員の評価制度、昇進・昇格、人事異動の管理なども担当します。
ゲーム業界の職種
ゲームプランナー
ゲームプランナーは、ゲームのコンセプトを作成するとともに、ゲームのルール、シナリオ、キャラクター設定、バランス調整など、ゲーム体験全体を企画・設計します。ゲーム自体の企画立案を行い、それを実現するための具体的な計画を立てます。その上で、企画書を作成し、経営層の承認を得ます。
構想力、論理的思考力、分析力、プレゼンテーションなど幅広いスキルが求められます。
年収の目安
約350万円〜600万円
ゲームプロデューサー
ゲームプロデューサーは、ゲーム開発プロジェクト全体の指揮を執るリーダーです。企画立案から開発、リリース、運営まで、プロジェクト全体を統括し、成功に導きます。予算管理、スケジュール管理、チームマネジメント、外部との交渉など、幅広い業務を担当します。
高いコミュニケーション能力、リーダーシップ、そしてゲームへの深い理解が求められます。
年収の目安
約600万円〜1,000万円
ゲームディレクター
ゲームディレクターは、ゲームのビジョンを明確化し、開発チームを導く監督のような役割を担います。ゲームのコンセプトを具体化し、開発チーム全体に共有します。その上で、スケジュール、協力会社、予算などを明確にした上で、関係者に指示を行います。
明確なビジョンを持ち、それをチームに伝え、共有できるコミュニケーション能力が求められます。
年収の目安
約500万円〜800万円
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは開発工程において、プログラミングを用いてゲームシステムの構築を行います。ゲームの動作、キャラクターの動き、物理法則などを仕様書通りに実現します。UnityとUE4(Unreal Engine 4)などのゲームエンジンを使用して開発することもあるため、経験があることが望ましいです。
ゲームプログラマーには、プログラミングスキルと論理的思考力が求められます。
年収の目安
約400万円〜600万円
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーは、ゲームの世界を視覚的に表現するアーティストです。キャラクター、背景、アイテムなどゲーム内の様々なデザインを担当します。ゲームデザイナーの中でも担当領域ごとに以下のような職種があり、役割分担を行いながら全体のゲームデザインを完成させていきます。
- アートディレクター:ゲーム全体のビジュアルスタイルを統括し、統一感を保つ責任者。
- コンセプトアーティスト:ゲームの世界観やキャラクター、背景などを初期段階でビジュアル化するアーティスト。
- 2Dアーティスト:キャラクターや背景、アイテムなどを2Dで描くアーティスト。
- 3Dモデラー:キャラクターや背景、アイテムなどを3Dでモデリングするアーティスト。
- アニメーター:キャラクターやオブジェクトに動きを与えるアーティスト。
- モーションデザイナー:UIやエフェクトなど、ゲーム内の動的な要素をデザインするアーティスト。
- UIデザイナー:ユーザーインターフェース(UI)のデザインを担当するアーティスト。
年収の目安
約400万円〜600万円
サウンドクリエイター
サウンドクリエイターは、ゲーム内のBGM、効果音、キャラクターボイスなど、音響要素を制作します。ゲームのコンセプトに合わせて効果音・BGMを作成したり、キャラクターのイメージに合わせて声優を決定したりします。音楽制作スキルはもちろん、ゲームの世界観を理解し、それに合った音楽を創造する能力が求められます。
年収の目安
約350万円〜550万円
デバッガー
デバッガーは、ゲームの品質保証を担う重要な役割です。ゲームを徹底的にプレイし、バグや不具合を発見・報告します。開発者が修正を行い、ユーザーに快適なゲーム体験を提供できるように貢献します。
細部まで注意深く観察し、問題点を正確に報告する能力が求められます。忍耐強く、責任感を持って業務に取り組む人が向いています。
年収の目安
約350万円〜500万円
マーケティング
マーケティング担当は、ゲームをユーザーに認知させ、購入・プレイしてもらうための戦略を立案・実行します。市場調査、ターゲットユーザーの分析を通じて、適切な広告宣伝、営業方法を検討します。
市場動向を的確に捉え、効果的なマーケティング施策を展開できる、戦略的思考と行動力を持つ人が向いています。
年収の目安
約400万円〜700万円
広報
広報担当は、メディアやインフルエンサーとの関係構築を通じて、ゲームの情報を積極的に発信し、企業イメージ向上に貢献します。プレスリリース作成、メディア対応、イベント企画・運営などを行います。
コミュニケーション能力が高く、情報を効果的に発信できる人が向いています。
年収の目安
350万円〜600万円
営業
営業担当は、ゲームの販売促進を担います。小売店やプラットフォームホルダーとの交渉、販売計画の立案・実行、売上分析などを行います。
高い交渉力とコミュニケーション能力、そして市場動向を把握する分析力が必要です。
年収の目安
約400万円〜700万円
カスタマーサポート
カスタマーサポートは、ユーザーからの問い合わせや問題に対応し、ゲーム体験をサポートします。ゲームに関する質問への回答、不具合報告の受付、アカウント問題の解決などを行います。ユーザーの立場に立ち、丁寧かつ迅速に対応できるコミュニケーション能力と問題解決能力が求められます。
年収の目安
約300万円〜450万円
法務
法務担当は、ゲーム開発、運営、販売など、企業活動のあらゆる場面で法的な側面からサポートし、企業を守ります。契約書の作成・審査、知的財産権管理、コンプライアンス体制の構築など、幅広い業務を担当します。
法律に関する専門知識はもちろん、ゲーム業界の動向を理解し、適切な法的アドバイスを提供できる能力が求められます。
年収の目安
500万円〜800万円
経理
経理担当は、企業の財務状況を管理し、健全な経営を支えます。伝票処理、記帳、決算業務、予算管理、資金調達など、幅広い業務を担当します。
正確な会計処理を行い、経営層に適切な情報を提供できる能力が求められます。
年収の目安
400万円〜600万円
人事
人事担当は、採用、教育、労務管理、給与計算など、人材に関わる業務全般を担当します。優秀な人材を獲得し、育成することで、企業の成長を支えます。社員のモチベーション向上や働きやすい環境づくりにも取り組みます。
コミュニケーション能力が高く、公平な判断ができる人が向いています。
年収の目安
400万円〜600万円
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ゲーム業界の近年のトレンド
ゲーム業界では、従来の家庭用ハードでプレイする形式からスマートフォン、PCでプレイするゲームが主流になっています。それに伴い、クラウドゲーミング、メタバースを活用したゲームなど新しいスタイルのゲームが登場してきています。
以下、ゲーム業界の主なトレンドです。
モバイルゲーム市場の拡大
国内ゲーム市場において最も大きな割合を占めるのがゲームアプリで、2023年時点で市場規模は1兆2,351億円です。スマートフォンの普及と性能の向上により、様々なゲームが快適な環境でプレイできるようになったことで、モバイルゲーム市場は大きく拡大しました。
モバイルゲームは、基本プレイ無料で遊べるゲームが多く、広告収入やアイテム課金で収益を得るモデルを採用していることが多いです。手軽にプレイできることから、普段ゲームをプレイしないユーザーも含め、広く獲得することができます。
ゲーム開発の二極化
ゲーム市場では大手ゲームメーカーの制作する高品質で大規模なゲーム(AAAタイトル)と小規模ながら独創的なインディーゲームの二極化が進んでいます。AAAタイトルの例としては、「グランド・セフト・オートシリーズ」、「Call of Dutyシリーズ」、「ファイナルファンタジーシリーズ」、「ゼルダの伝説シリーズ」などがあります。逆にインディーゲームでは、「Undertale」、「スイカゲーム」、「8番出口」などがあります。
ユーザーから高い品質が求められるAAAタイトルは大手ゲームメーカーでなければ開発が難しいですが、インディーゲームはゲームエンジン(Unreal Engine、Unityなど)の進化により、小規模なチームでも開発が可能になりました。Steamなどデジタル配信プラットフォームの普及により、低コストでの販売も可能になりました。
インディーゲームの台頭は大手ゲームメーカーにとっても脅威となり、高品質かつ魅力的な世界観を持つゲームを作るかが喫緊の課題となっています。
サブスクリプションの普及
従来はゲーム業界では、買い切り型でソフトを販売することが一般的でしたが、近年では月額料金を支払うことで様々なゲームをプレイできるサブスクリプション型が広まっています。サブスクリプション型のゲームサービスとしては以下のようなものがあります。
- Xbox Game Pass:990円/月
- PlayStation Plus:850円/月
- Apple Arcade:900円/月
サブスクリプション型であれば、一定額で様々なタイトルのゲームをプレイすることができ、多様なジャンルのゲームをプレイしたいというユーザーのニーズを満たすことができます。また、ゲームソフトの価格が高騰していることから、初期費用を抑えてゲームをプレイできるという点でも注目を集めています。
クラウドゲーミングの進展
上記のサブスクリプションに併せて、クラウドゲーミングが進んでいます。クラウドゲーミングとは、ゲームに必要な処理をすべてクラウド上のサーバーで行い、その映像を手元のデバイスにストリーミング配信するサービスです。事業者の提供するクラウド上でプレイするため、ハイスペックなゲーミングPCがなくてもプレイできるのが特徴です。主なサービスとしては以下のようなものがあります。
- GeForce NOW:1,790円/月
- PlayStation Plus Premium:1,500円/月
- Xbox Cloud Gaming:1,450円/月
サブスクリプションと同様に気軽に始められるということがポイントですが、安定した高速インターネット回線が必要になります。現状では、高性能なゲーム機やPCよりもパフォーマンスが劣ってしまうという課題があります。5G通信の普及により、通信環境が整備されれば、さらに多くのユーザーがクラウドゲーミングを利用するようになると予想されます。
メタバースの発展
近年では、メタバースを活用してゲームに新たな体験を生み出す取り組みが進められています。メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間で、ユーザーはその仮想空間内でアバターなどを通じて活動することができます。
たとえば、世界的に人気のバトルロイヤルゲームであるFortniteは、ゲーム内でのイベントやコンサート、ブランドとのコラボレーションなど、メタバース的な要素を積極的に取り入れています。
VRChatでは、ユーザーが作成した様々な3Dアバターやワールドを通じて、他のユーザーとコミュニケーションを取ることができます。ワールド内では、ユーザー主催のイベントや企業によるプロモーションが開催されています。
VR/AR技術、5G通信、AI技術などの進歩により、よりリアルで没入感のある仮想空間体験が可能になりました。今後は、ゲームを楽しむだけでなく、メタバース空間内でのイベントの開催、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を活用した資産の取引など経済活動が活発になっていくことが見込まれます。
ゲーム業界の平均年収ランキング
ゲーム業界の平均年収ランキングは以下の通りです。
※平均年収は企業規模や企業形態、部門、職種により大きく異なるので、下記情報は参考までに捉えてください。
企業名 | 平均年収 |
---|---|
1.スクウェア・エニックスHD | 13,139,416 |
2.ソニーグループ | 11,132,231 |
3.バンダイナムコHD | 10,950,000 |
4.任天堂 | 9,626,857 |
5.セガサミーHD | 8,791,596 |
6.アカツキ | 8,557,000 |
7.DeNA | 8,540,000 |
8.カプコン | 8,328,000 |
9.グリー | 8,108,000 |
10.コーエーテクモHD | 8,105,686 |
1位のスクウェア・エニックスHDは、2003年に株式会社スクウェアと株式会社エニックスが合併して誕生したゲームメーカーで代表作としては、ドラゴンクエストシリーズ、ファイナルファンタジーシリーズがあります。また、ゲーム事業だけでなく、アミューズメント事業、出版事業にも取り組んでいます。
2位のソニーグループは、日本を代表する総合エレクトロニクス・エンターテインメント企業で、ゲーム事業はソニーインタラクティブエンタテインメントが担っています。PlayStationプラットフォームのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークサービスの開発・販売・運営を行っており、代表的なソフトとしては、グランツーリスモ、アンチャーテッド、ホライゾンシリーズなどがあります。
3位のバンダイナムコHDは、日本を代表するエンターテインメント企業で2005年に株式会社バンダイと株式会社ナムコが経営統合して誕生しました。ゲーム領域では、ドラゴンボール、One Piece、鉄拳、ELDEN RINGなどの家庭用ゲーム、ゲームアプリの開発を行っています。ゲームの他、玩具・ホビー、ネットワークコンテンツ、リアルエンターテインメント、映像音楽プロデュースなど多数の事業に取り組んでいます。
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ゲーム業界の売上ランキング
ゲーム業界の売上ランキング(ゲーム部門)は以下の通りです。
企業名 | 売上 |
---|---|
1.ソニーグループ | 4,267,734 |
2.任天堂 | 1,671,865 |
3.ネクソン | 423,356 |
4.バンダイナムコHD | 372,667 |
5.セガサミーHD | 318,005 |
6.コナミグループ | 249,121 |
7.スクウェア・エニックスHD | 248,109 |
8.サイバーエージェント | 179,119 |
9.ガンホー・オンライン・エンターテイメント | 125,315 |
10.カプコン | 119,841 |
1位のソニーグループは、日本を代表する総合エレクトロニクス・エンターテインメント企業で、ゲーム事業はソニーインタラクティブエンタテインメントが担っています。PlayStationプラットフォームのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークサービスの開発・販売・運営を行っており、代表的なソフトとしては、グランツーリスモ、アンチャーテッド、ホライゾンシリーズなどがあります。
2位の任天堂は、京都市に本社を置く、世界的に有名なゲーム&エンターテインメント企業です。元は花札の製造販売として創業し、その後玩具・ゲーム機の開発・販売に取り組むようになりました。Nintendo Switch、Wii Uなど家庭用ハードの他、マリオシリーズ、ゼルダの伝説シリーズなど長年に渡り愛されているゲームシリーズの開発を行っています。近年では、スマートフォン向けのゲームアプリ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとの連携などテーマパーク事業にも取り組んでいます。
3位のネクソンは、韓国発のオンラインゲーム企業で、「メイプルストーリー」、「アラド戦記」などのPCゲームを中心に展開しています。世界各地に拠点を持ち、ゲームを世界中に展開しており、特に、中国や韓国、東南アジアでの人気が高いです。
ゲーム業界の営業利益ランキング
ゲーム業界の営業利益率ランキングは以下の通りです。営業利益率は、ゲーム事業での収益性の高さ、好調さ、将来の成長性を示す指標となります。
企業名 | 売上 | 営業利益 | 営業利益率 |
---|---|---|---|
1.日本ファルコム | 2,473 | 1,328 | 53.7% |
2.カプコン | 119,841 | 59,831 | 49.9% |
3.MIXI | 98,830 | 38,520 | 39.0% |
4.モバイルファクトリー | 3,043 | 1,103 | 36.3% |
5.コーエーテクモHD | 79,486 | 28,304 | 35.6% |
6.コナミグループ | 249,121 | 79,363 | 31.9% |
7.ネクソン | 423,356 | 134,745 | 31.8% |
8.任天堂 | 1,671,865 | 528,941 | 31.6% |
9.バンク・オブ・イノベーション | 21,333 | 4,900 | 23.0% |
10.ガンホー・オンライン・エンターテイメント | 125,315 | 27,880 | 22.2% |
1位の日本ファルコムは、1981年設立の日本の老舗ゲームメーカーの1つです。企業規模はそれほど大きくはありませんが、英雄伝説シリーズ、イースシリーズなどの名作を生み出しています。ゲーム事業の他、ゲームに関連した音楽CDの企画・制作・販売やキャラクターグッズの企画・販売に取り組んでいます。
2位のカプコンは、日本を代表するゲームメーカーで、家庭用ゲーム機、PCゲーム、モバイルゲームまで、幅広いプラットフォームでソフトを展開しています。代表的な作品としては、ストリートファイター、モンスターハンター、バイオハザードなどがあり、海外においても人気のシリーズを展開しています。近年では、eスポーツ大会の開催などにも取り組んでいます。
3位のMIXIは、スマートフォン向けゲームアプリの開発・運営を主に行っており、代表作としては「モンスターストライク」があります。ゲーム事業以外では、SNS「mixi」の運用、スポーツ事業、競馬情報メディアの運営などにも取り組んでいます。
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ゲーム業界の企業43社の平均年収・売上・営業利益
上記で紹介した企業以外も含むゲーム業界の企業43社の平均年収・売上・営業利益は以下の通りです。ゲーム事業以外も取り組んでいる企業についてはセグメント名の列以降にゲーム事業の売上・営業利益の情報を掲載しています。
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- アーティスト
- テクニカルアーティスト
- エンジニア(プログラマー)
- ゲームデザイナー
- ディレクター
- CG映像クリエイター
- サウンドクリエイター
- ローカライズ
- プロデューサー
- プランナー
- プロダクトマネージャー
- インフラエンジニア
G-JOB エージェントの求人例
会社名 | 株式会社gumi | 株式会社ゲームフリーク | 株式会社コーエーテクモホールディングス |
---|---|---|---|
職種 | ゲームプロデューサー(海外案件) | プランナー【リーダー】 | 2DCGデザイナー |
勤務地 | 東京都新宿区 | 東京都世田谷区 | 東京都千代田区 |
募集最高年収 | 900万 | 1,000万円 | 750万円 |
Hiraku agent
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掲載されている職種と想定年収は以下の通りです。
職種 | 想定年収 |
---|---|
3Dデザイナー/モデラー | 350~800万円 |
モーション/3Dアニメーター | 380~900万円 |
ゲームプランナー | 320~550万円 |
クライアントエンジニア | 400~850万円 |
サーバーエンジニア | 400~1,000万円 |
テクニカルアーティスト | 400~1,000万円 |
2Dデザイナー | 280~500万円 |
コンシューマーの案件 | 350~700万円 |
経験1年未満もOKの案件 | 280~380万円 |
Hiraku agentの求人例
会社名 | 株式会社ルーデル | 株式会社Cygames | 株式会社セガ |
---|---|---|---|
職種 | 3Dモーションデザイナー | ゲームデザイナー | <第4事業部>クライアントプログラマ(スマホ) |
年収目安 | 600万円~ | 400万円~1000万円 | 500万円~1300万円 |
まとめ
ゲーム業界の市場規模、ビジネスモデル、業務内容、職種、近年のトレンド、ゲーム業界の企業について解説して参りました。今、ゲーム業界は非常に盛り上がりを見せており、職種としても非常に需要が高くなっています。ゲームプランナー、3Dデザイナー、サウンドクリエイターなど職種も非常に多岐にわたり、自分自身の強みを生かしやすい業界といえます。
ゲーム業界の転職を希望されている方、ゲーム業界に興味を持たれている方は是非、本記事も参考にしてみてください。