厚生労働省の発表によれば、2021年に新卒で入社し、3年以内に辞めた人の割合は34.9％となりました。3人に1人が新卒で入社した会社を3年以内に辞めていることになります。
このような人たちは第二新卒で転職することになりますが、第二新卒の場合、同じ業界・職種だけでなく、別の業界・職種へチャレンジすることもおすすめです。
本記事では、就職のしやすさ、将来性などを踏まえて、第二新卒でおすすめの業界・職種を紹介したいと思います。
大卒3年以内の離職率34.9％
厚生労働省の発表によれば、2021年卒で就職した人の3年以内の離職率は34.9%と3年連続で増加しています。コロナ禍が収束したことによって、転職活動が活発化したと考えられています。また、若年層の中で「転職は当たり前のもの」という価値観が浸透していっているのでしょう。
産業別では、「宿泊業、飲食サービス業」が56.6%と最も高く、「生活関連サービス業」が53.7%、「教育、学習支援業」が46.6%と続きます。上位に位置する産業は、いずれも人手不足に悩む産業で、給与水準が低かったり、労働時間が長かったりすることが一因と考えられます。
第二新卒では異業界・異業種の転職も可能！
このような「大卒で就職経験のある23~25歳の層」は第二新卒として転職を行うことになります。
第二新卒の転職の場合、中途採用と異なり、明確なスキルよりも職務へのポテンシャルがあるかどうかで採用が判断されます。
| 項目 | 新卒採用 | 第二新卒 | 中途採用 |
|---|---|---|---|
| 入社時期 | 4月 | 適宜 | 適宜 |
| 評価ポイント | 学歴 社風へのフィット | 学歴 職務に対しての適性 社会人としての基礎スキル 社風へのフィット | 学歴 職務の即戦力となるスキル 社風へのフィット |
| 入社後の研修 | 1~3か月程度 | 1か月未満 | ほぼ無し |
そのため、異業界・異業種であってもその職務に対する適性・資質があれば、採用される可能性が高くなります。逆に、これ以上職務経験を積んで中途採用扱いとなると、即戦力となる経験・スキルが期待されるため、未経験の異業種への転職というのが非常に難しいです。
つまり、第二新卒は異業界・異業種に転職するチャンスとも言えます。
第二新卒の転職を成功させるポイントは下記記事もご覧ください。
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第二新卒でおすすめの業界
以下では、第二新卒での転職でおすすめの業界を紹介します。
IT業界
IT業界は成長著しい業界で、今後の人材需要も大きい業界です。経済産業省の調査によれば、2030年にIT人材が45万人不足すると予測されています。
そのため、多くの企業において未経験採用を強化しています。未経験者向けの研修体制を整備したり、給与水準を上げたりといった取組が行われています。また、エンジニアの場合、プログラミングスキルは独学やスクールなどでも学習することができるため、未経験でもチャレンジしやすいです。
今後、需要が高まっていく業界であることから、他の業界よりも高い年収が期待できます。また、ITに関するスキル・知識はどのような企業においても求められるため、IT業界で身につけたスキルはその後の転職にも有利に働きます。IT系企業から銀行のITエンジニア職に転職するといったキャリアも考えられます。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| 株式会社日立製作所 | 営業 | 月給250,000円～584,640円 |
| 株式会社大塚商会 | 社内SE | 月給350,000円～600,000円 |
| 株式会社日立ソリューションズ | 営業 | 月給250,000円～350,000円 |
| SCSK株式会社 | システムエンジニア | 月給264,400円～472,000円 |
| 三菱総研ＤＣＳ株式会社 | 開発エンジニア | 月給276,000円～ |
金融業界
金融業界は、銀行、証券、保険などがありますが、いずれも社会において重要な役割を果たす業界で、安定した需要があります。そのため、常に人材を募集しており、第二新卒の求人も多い業界です。求められるスキルや知識は、金融商品や経済、法律などに関するもので、未経験でも独学で身につけることができ、業務にキャッチアップしやすいです。また、職種も営業・事務・システムエンジニアなど非常に多岐にわたり、前職での経験を活かすこともできます。
金融業界に就職すると銀行、証券、保険など、それぞれの領域における専門性を身につけることができます。金融のスペシャリストとしてキャリアを形成し、将来的には高い年収を期待することができます。身につけた金融知識を活かして、コンサルティング業界、Fintech業界などへの転職も考えられ、大きく年収アップを実現する可能性があります。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 | 基幹社員 | 月給210,000円～260,000円 |
| 損害保険ジャパン株式会社 | 総合職 | 月給188,370円以上＋時間外手当 |
| 株式会社三菱ＵＦＪ銀行 | 法人営業 | 月給245,000円～500,000円 |
| 株式会社 SBI新生銀行 | スマホ向けインターネットバンキングアプリ開発 | 月給250,000円～ |
| 三菱総研ＤＣＳ株式会社 | 開発エンジニア | 月給223,000円～500,000円 |
コンサルティング業界
コンサルティング業界は、企業の様々な経営課題の解決を支援する業界です。論理的思考力や問題解決力は期待されますが、特別な資格・経験が求められるわけではないので、第二新卒でも転職しやすい業界です。コンサルティングの種類も経営、業務、IT、人事、会計など多岐にわたり、前職の経験を活かすことができます。
若手の内から経営層に接しながら多様なプロジェクトを経験することができるため、高い成長を期待できます。難易度も高く、責任も大きいですが、その分高い年収も期待できます。
キャリアパスとしては、特定の業界・分野に特化したスペシャリスト、幅広い業界・分野で活躍するジェネラリストなどがあります。また、コンサルタントとしての経験を活かし、他の業界の経営企画・事業企画への転職も可能です。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| 株式会社東京商工リサーチ | 調査営業 | 月給290,590～ |
| 有限責任監査法人トーマツ | 監査サポート事務 | 月給188,000円以上+各種手当+賞与年1回+勤続奨励金年1回（次年度以降） |
| パシフィックコンサルタンツ株式会社 | 官公庁・民間企業向けの提案型営業 | 月給270,000円～570,000円 |
| 有限責任監査法人トーマツ | ITコンサルタント | 月給200,000円～330,000円 |
| 株式会社オリエンタルコンサルタンツ | 建設コンサルタント | 月給350,000円～600,000円 |
人材サービス業界
人材サービス業界では、求職者の転職の支援、企業の人材採用の支援を行う業界です。コミュニケーション能力や人柄が重視されるため、未経験でも採用される可能性が高いです。また、前職の業界・職種の経験を活かしたアドバイスも可能で、短期で価値を創出することもできます。
人の人生に関わる就職・転職を支援するということで、感謝される機会も多く、やりがいのある業界です。転職成功者数に応じて報酬が支給される企業もあり、モチベーションを高く保つことができます。将来的には、キャリアアドバイザーとして独立したり、人材紹介会社を設立したりとスキル・経験を活かしたキャリアパスを実現することができます。
メーカー（機械・電気）業界
メーカー（機械・電気）業界は日本の基幹産業であり、世界的にも高い競争力を持っています。それだけに景気に左右されず安定した需要があり、第二新卒の募集も多い業界です。モノをつくる技術職だけでなく、営業職として活躍することもできます。前職で営業経験があれば、それを活かして転職することもできます。
技術職であれば、機械設計、電気設計、生産技術、品質管理など、専門性の高いスキルを身につけ、新しい製品の開発を実現することができます。営業職であれば、商品の知識を深めたり、顧客との信頼関係を築き上げたりすることで、高い営業成果を生み出すことができます。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| セントラルエンジニアリング株式会社 | エンジニア総合職 | 月給220,000円～500,000円 |
| 日産自動車株式会社 | 技術総合職 | 月給250,000万円 |
| IHI運搬機械株式会社 | サービスエンジニア | 月給200,000円～350,000円＋賞与昨年5.36ヵ月分＋各種手当 |
| 株式会社ミスミ | 半導体/EV市場攻略営業 | 月給240,625円～336,875円 |
| Dynabook株式会社 | 量販向け営業 | 月給310,000円～531,000円 |
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3,000社以上の求人を保有しており、職種では営業職、ITエンジニア、事務・マーケティング、製造技術職、販売・接客などの多様な職種があります。若手の離職率が高い、残業時間が慢性的に長い、ハラスメントをしているようなブラック企業は、厳しい判断基準に基づき排除しているため、安心して就職することができます。
第二新卒でおすすめの職種
次に第二新卒の転職でおすすめの職種を紹介します。
営業職
営業職は人柄やコミュニケーション能力を重視するため、第二新卒でも募集の多い職種です。どのような企業においても営業は必要であるため、業界の選択肢は広く、自分の興味ある業界を選択することができます。多くの営業では、成果主義を採用しており、成果を出せば高い報酬を得ることができます。モチベーション高く働きたい方におすすめの職種です。
営業職は将来のキャリアの選択肢が非常に広いです。営業として実績を増やすことで、チームリーダーやマネージャーなどの管理職に昇進することもできます。また、営業のスキル・経験は他の業界においても活かすことができるため、別の業界の営業へ転職することも可能です。また、営業で培った業界・製品の知識を活かして企画職へキャリアチェンジしたり、コミュニケーション能力を活かしてコンサルティング職へキャリアチェンジしたりもできます。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| 住友不動産株式会社 | 注文住宅営業 | 月給334,000円 |
| 綜合警備保障株式会社（ALSOK） | ソリューション営業 | 月給258,500円～ |
| 岡田電気産業株式会社 | ルート営業 | 月給230,000円～380,000円 |
| 株式会社富士薬品 | 医薬品のルート営業 | 月給245,796円～269,205円 |
| 日建リース工業株式会社 | 建設足場のレンタル営業 | 月給240,000円～330,000円 |
ITエンジニア職
ITエンジニア職には、プログラマー、システムエンジニア、インフラエンジニア、セールスエンジニアなどの職種がありますが、IT業界の成長に伴い、いずれの職種も需要が増加しています。そのため、未経験の第二新卒での募集も非常に多いです。多くの企業では研修体制が整備されており、未経験でも早期に業務にキャッチアップすることができます。
ITエンジニアとしてスキルを磨くことによって、プロジェクトマネージャーとしてチームを率いるポジションを務めることができます。また、ITエンジニアで培ったスキル・知識はどのような業界でも活かすことができ、将来的にはIT系企業だけでなく、事業会社への転職も可能となります。AI、データサイエンスなど特定の領域での技術・知識を磨くことによって、年収数千万円も夢ではありません。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| 旭情報サービス株式会社 | ITエンジニア | 月給219,500円～295,000円 |
| 日総工産株式会社 | ITエンジニア | 月給250,000円～460,000円 |
| ＮＣＤ株式会社 | 初級ITエンジニア | 月給250,000円～300,000円 |
| 株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンター | ITエンジニア | 月給230,000円～ |
| 株式会社ＴＫＣ | 開発エンジニア | 月給250,000円～650,000円 |
コンサルタント職
コンサルタント職は、企業の経営課題に対する解決の支援を行う職種です。特別な資格・スキルは必要でないため未経験でも始めやすい職種です。コンサルティング企業によっては、経営、業務、IT、人事、会計などの領域に特化しており、自身の興味のある分野を選択することもできます。総合コンサルティングファームでは、様々な業界・企業のプロジェクトを経験することができます。
コンサルタント職では、論理的思考力や問題解決能力を磨くことができます。コンサルタントとしての経験を積んで、コンサルティングファームでマネージャーを目指すことができます。また、コンサルティングを通じて業界の知識を身につけることで、その業界の事業会社への転職も可能になります。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| 有限責任監査法人トーマツ | ITコンサルタント | 月給200,000円～330,000円 |
| 有限責任監査法人トーマツ | 戦略コンサルタント | 月給375,000円～640,000円 |
| 豊田通商株式会社 | 物流プラットフォームの構築・運営／顧客の経営課題を解決 | 月給285,000円～630,000円 |
| 株式会社ＳＵＢＡＲＵ | コネクティッドサービス及びビジネス企画 | 月給252,000円～560,000円 |
| 株式会社野村総合研究所 | 戦略・経営コンサルタント | 月給264,500円～440,000円 |
事務職
事務職はビジネスマナーや基本的な事務処理のスキルが期待され、未経験でも始めやすいのが特徴です。事務職にも経理・総務・法務・人事など様々な分野があり、自身の経験・興味に合わせて選択することができます。業務もあらかじめ定められており、マニュアルも整備されていることが多いので、すぐに業務にキャッチアップすることができます。また、日商簿記、MOS（マイクロソフトオフィススペシャリスト）、秘書検定などの資格取得を通じて業務に関するスキル・知識を深めることもできます。
経理事務、総務事務、人事事務など、特定の分野に特化した専門知識を深め、課長や部長へとキャリアアップすることも可能です。また、すべての企業において事務職は存在するため、他業界へ転職することもできます。
第二新卒歓迎の求人例
| 企業名 | 職種 | 給与 |
|---|---|---|
| パーソルテンプスタッフ株式会社 | 事務スタッフ | 月給213,000円～ |
| 株式会社リクルートスタッフィング情報サービス | IT事務 | 月給191,000円～ |
| 株式会社武蔵野 | 総務事務 | 月給261,000円～ |
| オーケー株式会社 | 物流管理・事務職 | 月給250,000円～ |
| 株式会社ザ・トーカイ | 事務職 | 月給200,000円～ |
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3,000社以上の求人を保有しており、職種では営業職、ITエンジニア、事務・マーケティング、製造技術職、販売・接客などの多様な職種があります。若手の離職率が高い、残業時間が慢性的に長い、ハラスメントをしているようなブラック企業は、厳しい判断基準に基づき排除しているため、安心して就職することができます。
まとめ
以上、第二新卒でおすすめの業界・職種について解説して参りました。
第二新卒での転職は自身のキャリアの幅を広げる大きなチャンスにもなります。そのためには、自身の方向性、業界・職種の特徴を正確に理解して転職活動を進めていくことが大切です。
第二新卒の転職を成功させるポイントは下記記事も参考にして下さい。
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