正社員と非正規雇用の給与の違いは?正社員の人口、特徴、種類、メリット・デメリット、正社員のなり方について解説

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「正社員」というと、「雇用が安定している」「給与が良い」「福利厚生が充実している」という良いイメージを持たれる方が多いと思います。実際に正規雇用は非正規雇用に比べて給与がその反面、「労働時間が長い」「責任が重くなる」といった側面もあります。

雇用形態を選択する際は、そのようなメリット・デメリットについて理解した上で、決定することが大切です。

本記事では、正社員に注目し、人口、特徴、種類、メリット・デメリット、正社員のなり方について解説していきます。雇用形態の選択に悩んでいる方、正社員を目指している方は是非参考にしてみてください。

目次

正社員とは

正社員とは、雇用期間の定めがない無期雇用で、勤務先の企業に直接雇用され、主にフルタイムで働く労働者を指します。

雇用形態 -正社員

近年では働き方の多様化により、正社員の中にも「職務限定の正社員」「短時間勤務の正社員」「エリア限定の正社員」「週休3日となる正社員」なども制度として導入している企業も増加しています。

様々な正社員の種類については後述します。

正社員の人口

全体

下図は2002年からの雇用形態別の就業者数の推移を示しています。

2023年時点の正社員の人数は、3,606万人と雇用形態の中で最も多い分類となっています。この傾向は2002年から変化はなく常に正社員が最も多いです。

雇用形態別就業者数の推移(単位:万人)
総務省「労働力調査」

一方で割合で見ると、2002年時点では70%近かった正社員の割合ですが、2023年には63%に減少しています。その分、パート・アルバイト、契約社員(嘱託社員)、派遣労働者の割合が多くなっています。

雇用形態別就業者割合の推移(単位:%)
総務省「労働力調査」

男性

男性の就業者に関しては、全体を通じて正社員が最も多く、パート・アルバイト、契約社員(嘱託社員)、派遣労働者の順に多くなっています。しかし、2002年時点では2,437万人であった正社員の数は、2023年平均では2,338万人と100万人近く減少しています。

【男性】雇用形態別就業者数の推移(単位:万人)
総務省「労働力調査」

割合で見ると、正社員の割合は77%~85%と全体と比較しても多くなっています。

2002年時点では85%近かった正社員の割合ですが、2023年には77%に減少しています。一方で、パート・アルバイト、契約社員(嘱託社員)、派遣労働者の割合が徐々に多くなっています。

【男性】雇用形態別就業者割合の推移(単位:%)
総務省「労働力調査」

女性

女性に関しては、2002年時点では1,052万人だった正社員ですが、2023年には1,267万人に増加しています。

【女性】雇用形態別就業者数の推移(単位:万人)
総務省「労働力調査」

割合で見ると、正社員の割合は43%~51%と、全体および男性と比較して少ないです。

また、2002年時点では51%近かった正社員の割合ですが、2023年には47%に減少しています。パート・アルバイト、派遣労働者の割合が正社員を上回る勢いで増加したと考えられます。

【女性】雇用形態別就業者割合の推移(単位:%)
総務省「労働力調査」

正社員の特徴

正社員の特徴に関しては下図のように整理することができます(画像の左端の列)。以下では各特徴について詳述していきます。

雇用形態別の特徴

雇用関係

正社員は、企業と直接雇用契約を結び、勤務先企業の指揮命令に従って働きます。間接雇用と異なり、雇用関係と指揮命令関係の主体が一致することが特徴です。

直接雇用と間接雇用の違い

指揮命令の内容は企業によって異なりますが、労働契約や就業規則で具体的な規定が定められていることが一般的です。一般的には業務内容、労働時間、勤務場所、その他服装などについては企業の指示に従う必要があります。もちろん、社会通念上相当と認められない指示や、社員の人格権を侵害する指示は認められません。

雇用期間

正社員の雇用期間は、期間の定めのない無期雇用です。つまり、定年退職の年齢に達するまでは原則として、その企業で働き続けることができます。なので、雇用の安定性は非常に高いといえます。

ただし、以下のような例外があります。

試用期間

入社後、一定期間は試用期間が設けられる場合があります。

試用期間とは、企業が社員の適性を見極める期間で、3~6ヶ月程度が一般的です。問題がなければそのまま本採用となりますが、適性がないと判断されると試用期間中・終了後の解雇される可能性があります。

ただし、試用期間中の解雇についても「客観的に合理的な理由」があり「社会通念上相当な場合」のみ認められています。

定年退職

多くの企業では定年退職制度を設けており、定年年齢になると雇用契約が終了し退職することになります。定年年齢は企業によって異なりますが、一般的には60歳前後です。

2021年の高年齢者雇用安定法の改正により、65歳までの雇用確保が義務化され、定年年齢を引き上げる企業も増加しています。また、定年退職後も継続して同じ企業で働ける制度である継続雇用制度を導入する企業も増えています。

その他

労働者の都合による退職、企業都合による解雇、懲戒解雇など、様々な理由で雇用契約が解除される場合があります。

労働時間

正社員は基本的には、フルタイムで勤務することが多いです。

フルタイムとは、勤務先の会社で定める1週間の所定労働日数、時間で勤務する働き方を指します。会社によって差はありますが、1日8時間、1週間で40時間が一般的です(労働基準法32条で定められた法定労働時間)。休憩時間に関しても、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上が与えられます。

業務の状況に応じて、法定労働時間を超えた残業が発生する場合もあります。残業時間に対しては割増賃金が支払われます。割増賃金は以下の計算式で算出されます。

割増賃金 = 1時間当たりの賃金 × 割増率 × 時間外労働時間

種類条件割増率
時間外
(時間外手当・残業手当)
法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたとき25%以上
時間外労働が限度時間(1か月45時間、1年360時間等)を超えたとき25%以上
時間外労働が1か月60時間を超えたとき50%以上
休日(休日手当)法定休日(週1日)に勤務させたとき35%以上
深夜(深夜手当)22時から5時までの間に勤務させたとき25%以上

休暇

休日は週に1日以上の休日に加えて、有給休暇制度があります。

2019年4月からは、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、会社は年5日の有給休暇取得を義務付ける法律が施行されました。この義務を達成できない場合、1人当たり30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

有給休暇の他に、法律や就業規則で定められた休暇で、慶弔休暇、生理休暇、産前産後休暇、育児休業、介護休業、子の看護休暇などがあります。加えて、会社が独自に夏季休暇、年末年始休暇、リフレッシュ休暇、アニバーサリー休暇を定めている場合もあります。

給与

正社員の給与に関しては月給制が基本で、毎月一定額の給与が支払われます。

基本給に加えて、各種手当(残業代、通勤手当、住宅手当、家族手当など)が支給される場合もあります。一般的には、他の派遣労働者、契約社員などに比べて高額となることが多いです。

下図は厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査の雇用形態別の年収のデータです。2023年時点で、正社員が33.6万円、正社員以外が22.7万円で正社員の方が10万円近く平均給与は高いです。

雇用形態別給与(月)の推移
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

また、正社員については能力や成果に応じて、定期的な昇給や昇格の機会が与えられる一方で、非正規雇用の従業員に関してはそのような機会が限られています。

その他、正社員には年2回(夏・冬)または年1回、業績や個人の成果に応じて賞与が支給される場合が多いです。一方で、非正規雇用の従業員には賞与が与えられることは少なく、あったとしても正社員よりも少ない金額となることが多いです。

福利厚生

正社員に関しては、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険等の社会保険に加入することが義務付けられています(法定福利厚生)

また、企業独自で住宅手当、家族手当、通勤手当、健康診断、資格取得支援制度、社員食堂などの各種手当が設けられている場合があります(法定外福利厚生)。法定外福利厚生については非正規雇用の従業員にも与えられる場合はありますが、内容が制限される可能性もあります。

社会的信用

正社員は期間の定めのない無期雇用の契約であるため、雇用が安定しており、非正規雇用と比べて社会的信用が高いとされます。また、非正規雇用と比べて給与が高く、以下のような場面で有利に働きます。

  • 金融機関・消費者金融からの借入審査
  • 住宅ローンの審査
  • クレジットカードの審査

正社員の給与

平均給与の推移

正規雇用(正社員)と非正規雇用の給与は2000年代前半からいずれも増加傾向にあります。

2023年時点で、正社員が33.6万円、正社員以外が22.7万円で正社員の方が10万円近く平均給与は高いです。

雇用形態別給与(月)の推移
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

年齢別平均給与

年齢別に見ると正社員では、55~59歳の定年年齢直前で平均給与が約41.0万円で最も高くなっています。全体として年齢が高くなるにつれて平均給与も高くなっていきます。これは、昇給により徐々に給与が増えていくからと考えられます。

一方で、非正規雇用に関しては、年齢による差はそれほど大きくはなく20万円前後となっています。これは、非正規雇用では昇給の機会が限られているからと考えられます。

2023年 年齢別平均給与(月)
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

企業規模別平均給与

企業規模別に見ると正社員の平均給与は、大企業が37.7万円、中小企業が32.7万円、小企業が30.4万円と、企業規模が大きくなるほど給与も多くなっています。

一方で、非正規雇用に関しては企業規模による差はあまり大きくはありません。非正規雇用の給与に関しては最低賃金に合わせて設定されることが多いため、給与が平準化されると考えられます。

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

産業別平均給与

産業別に見ると正社員の平均給与は以下の順で多くなっています。

2023年 産業別平均給与(月)
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
産業正規雇用非正規雇用
電気・ガス・熱供給・水道業42.1万円26.3万円
学術研究、専門・技術サービス業40.4万円32.4万円
金融業、保険業40.3万円25.5万円
教育、学習支援業39.3万円27.8万円
情報通信業38.8万円30.2万円
鉱業、採石業、砂利採取業37.0万円33.7万円
不動産業、物品賃貸業35.9万円22.7万円
建設業35.4万円29.6万円
卸売業、小売業34.3万円21.1万円
複合サービス事業33.3万円22.4万円
製造業32.5万円20.6万円
サービス業(他に分類されないもの)31.5万円23.8万円
医療、福祉30.8万円22.6万円
生活関連サービス業、娯楽業30.7万円20.1万円
運輸業、郵便業30.5万円22.1万円
宿泊業、飲食サービス業28.4万円19.7万円
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」

正社員の種類

年、人手不足により優秀な人材を確保することが困難になってきています。そこで、通常の正社員の他、柔軟な働き方を実現できる正社員制度を設けている企業が増えています。

複数の正社員制度を設けている目的
厚生労働省「『多様な形態による正社員』に関する研究会報告書」

具体的には、以下のような正社員制度があります。

  1. 職務限定正社員
  2. 勤務時間限定正社員
  3. エリア限定正社員
  4. 週休3日となる正社員

職務限定正社員

職務限定正社員とは、特定の職務に限定して働く正社員のことを指し、ジョブ型雇用とも言います。

高度な専門性を要する職務や資格が必要な職務などが該当します。

  • 金融業:証券アナリスト
  • 情報サービス業:データサイエンティスト、エンジニア
  • 研究開発:特定分野の研究開発に特化した研究者

通常の正社員の場合は、業務内容を限定せずに雇用され、配置転換や職務変更が発生します。職務限定正社員の場合は、あらかじめ職務内容が限定された上で雇用され、その領域において高いパフォーマンスを発揮することが期待されます。給与も正社員とは異なり、その職務の難易度に応じて設定されることが一般的です。

職務限定の正社員制度を導入している企業としては以下のような企業があります。

  • オリックス株式会社
  • 東京海上日動火災保険株式会社
  • 株式会社クレディセゾン
  • 株式会社ぐるなび
  • サイボウズ株式会社(Cybozu, Inc.)

出所:厚生労働省「多様な正社員制度の導入事例」

勤務時間限定正社員

勤務時間限定正社員とは、フルタイムの正社員と比べてその所定労働時間や所定労働日数が短い正社員で、以下のいずれにも該当する社員のことを指します。

  • 期間の定めのない雇用契約を結んでいる
  • 時間あたりの基本給および賞与・退職金などの算定方法などが同じ事業所に雇用される同種のフルタイムの正社員と同等である

企業内において、このような働き方を就業規則に制度化することを「勤務時間限定正社員制度」「短時間正社員制度」などと呼びます。

勤務時間限定正社員はフルタイムの正社員よりも労働時間が短いため、仕事とプライベートを両立しやすいというメリットがあります。企業目線でも、時間を限定することで優秀な人材を確保しやすくなるというメリットがあります。

短時間正社員制度を導入している企業としては以下のような企業があります。

  • アサヒビール株式会社
  • 味の素株式会社
  • 株式会社クレディセゾン
  • 株式会社ぐるなび
  • サイボウズ株式会社(Cybozu, Inc.)

出所:厚生労働省「多様な正社員制度の導入事例」

エリア限定正社員(地域限定正社員)

エリア限定正社員とは、特定の勤務地で勤務する正社員のことを指します。転居を伴う異動がなく、転勤があったとしても現在の住まいから通勤可能なエリアに限定されています。

エリア限定正社員の賃金については、通常の正社員と比べて賃金を8~9割に設定している企業が多いです。

エリア限定正社員では、自分の希望する勤務地で働けるというメリットがあります。また、企業目線でも地域密着型の人材採用を行うことで、より地域のニーズに合ったサービスの提供を行うことができるというメリットもあります。

エリア限定の正社員の制度を導入している企業としては以下のような企業があります。

  • AIG損害保険株式会社
  • オリックス株式会社
  • 住友ゴム工業株式会社
  • 株式会社ダスキン
  • 東京海上日動火災保険株式会社

出所:厚生労働省「多様な正社員制度の導入事例」

週休3日となる正社員

週に3日の休日を取得できる正社員制度を導入している企業もあります。休日が増えることで、ワークライフバランスを向上させたり、リフレッシュ効果により業務の生産性を向上させることを期待できます。

週休3日の正社員制度には、給与維持型、給与減額型、総労働時間維持型の3種類があります。

  • 給与維持型:1日の所定労働時間は変わらず、休日を増やし、給与を維持する方法
  • 給与減額型:1日の所定労働時間は変わらず、休日を増やしますが、その分給与を減らす方法
  • 総労働時間維持型:休日を増やす分、一日の所定労働時間を増やし、総労働時間は変更しない方法

週休3日の正社員制度を導入している企業としては以下のような企業があります。

  • SOMPOひまわり生命保険株式会社
  • 株式会社東邦銀行
  • SMBC日興証券株式会社
  • リコー株式会社
  • 株式会社USEN-NEXT HOLDINGS
  • 株式会社ZOZO
  • 株式会社みずほフィナンシャルグループ
  • 佐川急便株式会社

出所:厚生労働省「多様な正社員制度の導入事例」

正社員のメリット・デメリット

一般的には正社員は安定した収入が得られ、社会的信用が高いという点で非正規雇用よりも良いと評価されていますが、もちろんデメリットも存在します。

以下、従業員目線と企業目線のメリット・デメリットを整理しています。

従業員目線のメリット・デメリット

スクロールできます
メリットデメリット
期間の定めがないため、解雇されるリスクが低く、安心して長く働くことができる

月給制で毎月安定した収入があり、昇給の機会も定期的にある
賞与・退職金が支給される
健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険などの福利厚生が充実している
研修・教育制度が充実している
クレジットカードやローンの審査が通りやすくなる
非正規雇用の従業員と比較して、業務の負担、責任が大きくなる
繁忙期には残業・休日出勤が発生する
フルタイムの場合拘束時間が長い。また、残業が発生する場合がある
転勤や異動の辞令が出た場合、原則断ることはできない

企業目線のメリット・デメリット

メリットデメリット
長期的に就業してくれる人材を確保することができる
長期的な視点での人材育成が可能
長期雇用により、社員の知識・スキルを向上させ、業務の効率・質の向上が期待できる

長期的な雇用関係により、組織の安定化を図ることができる
雇用期間が長くなればなるほど、給与や賞与、研修・教育費用など人件費が高くなる
業績が悪化しても人件費を削減しにくい
正当な理由がない限り解雇することができない

正社員のなり方

正社員のなり方には、以下のようなものがあります。

新卒採用で就職する

一般的な新卒採用で、大学や専門学校などを卒業見込みの方を対象とした正社員の募集に応募する方法です。新卒の場合は、基本的には正社員で募集をしていることが多いです。一般的には就職活動サイトや企業のホームページなどから応募を行います。

企業によっては、高校卒・大学卒、学部や学科を指定している場合もあります。

一般的な選考フローは、エントリーシート提出、筆記試験、面接などです。新卒採用では業務に関するスキルや経験よりも、地頭の良さや学生時代の経験などが評価されます。

中途採用で就職する

社会人経験者を対象とした中途採用に応募し、正社員として雇用される方法です。企業の採用ホームページや転職サイト、転職エージェントなどを利用して求人情報を収集し、応募を行います。その他、企業で働いている知人からの紹介やスカウトなどもあります。

新卒採用と異なり、業務に関するスキルや職務経験が求められるため、就職先の選択肢は限定されることが多いです。一方で、過去の経験を活かして大幅な収入アップを実現することもできます。

一般的な選考フローとしては、書類選考、面接などです。転職の手段によっては書類選考や一部の面接が免除される場合もあります。

契約社員、パート・アルバイトから正社員になる

契約社員やパート・アルバイトから同じ会社の正社員になるには大きく2つの方法があります。

正社員登用制度を利用する

1つが、企業の正社員登用制度を利用することです。

多くの企業では、契約社員を正社員に登用する制度があります。条件は企業によって異なりますが、一定の勤務期間や、業務成績、能力などの条件を満たすことで、正社員になることができます。会社によっては、登用試験や面接が行われる場合もあります。

無期転換ルール(5年ルール)を利用する

もう1つが法律で定められている無期転換ルールを利用することです。

無期転換ルールは、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルールのことです。この場合、無期転換の申し込みを企業は断ることはできません。

契約期間が1年の場合、5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年の場合、1回目の更新後の3年間に無期転換の申込権が発生します。

紹介予定派遣を利用する

派遣労働者として雇用され、その後正社員に移行する紹介予定派遣の制度を利用する方法もあります。

紹介予定派遣とは、労働者派遣のうち、人材派遣会社が派遣労働者及び派遣先企業に対して職業紹介を行うことを予定しているものを指します。派遣労働者が一定期間、派遣先企業で働き、派遣期間終了後に派遣先企業と本人の合意があれば、直接雇用に移行します。派遣期間は6ヶ月に限られます。

紹介予定派遣は、派遣期間中に労働者・企業双方が、業務や社風への適性を見極めミスマッチを防ぐことができるというメリットがあります。

紹介予定派遣の仕組み

一方で、紹介予定派遣は、間接雇用から直接雇用に移行する仕組みであるため、必ずしも正社員になれるわけではないという点に留意が必要です。また、派遣期間中の業務のパフォーマンスによっては派遣先企業から直接雇用への意向を断れらる可能性もあります。

紹介予定派遣は必ず正社員になれるわけではないという点は理解しておく必要があります。

まとめ

以上、正社員の人口、特徴、種類、メリット・デメリット、正社員のなり方について解説して参りました。

かつてはフルタイムで働くことが当たり前とされていた正社員についても、様々な種類の正社員の形態が用意されており、正社員でありながらも自身の希望する働き方を実現しやすくなっています。一方で、非正規雇用に比べて勤務地、勤務時間の柔軟性が低い、業務内容が難しい、業務の責任が大きいといったデメリットも存在します。

雇用の安定性、給与の良さのみで正社員になることを決めると、就職後ギャップを感じる可能性もあります。転職を行う際は正社員のデメリットもきちんと理解した上で、雇用形態を選択することをおすすめします。

今後、転職などを考えている方は本記事も参考にしてみてください。

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