近年、転職をする際に多くの人が転職エージェントを利用するようになっています。マイナビの「転職動向調査2024年版(2023年実績)」によれば、約24.7%の方が転職エージェントを利用しています。
しかし、転職エージェントにも良し悪しがあり、悪い転職エージェントも一定数は存在しています。私自身、様々な転職エージェントに相談しましたが、キャリアを良い方向に進められた場合もあれば、そうでない場合もあります。
本記事では、悪い転職エージェントを見極めるためのポイントを5つ紹介し、転職エージェントを有効活用するコツも併せてご紹介します。
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転職エージェントとは
転職エージェント(人材紹介サービス)とは、企業が求める人材を紹介・斡旋するサービスです。また、求職者向けにも求人を紹介しますが、求職者の申込や登録は基本的には無料です。
人材紹介会社が紹介した人材が、求人企業と雇用契約を締結した段階で、紹介手数料が支払われます。紹介手数料は、紹介した人材の年収の約30%と設定していることが多いです。紹介された人材が求人企業の選考を受けた結果、不採用となった場合は紹介手数料は支払われません。
人材紹介会社 | 求人企業の依頼を受けて、登録されている人材からニーズに適した求職者を紹介します。 求職者向けには求人の紹介と選考対策のアドバイスなどを提供します。 |
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求人企業 | 人材紹介会社に求める人材の要件を示し、人材紹介の依頼を行います。 紹介された人材の選考を行い、採用か不採用か判断します。採用となった場合は人材紹介会社に紹介手数料を支払います。 |
求職者(個人) | 就職・転職を考えている求職者が、人材紹介会社のサービスに登録します。また、登録をせずとも、求人紹介会社から直接スカウトが来る場合もあります。 人材紹介会社から紹介された求人が希望に合えば、選考に進みます。 |
転職エージェント(人材紹介サービス)について詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
良い転職エージェントを選ぶ重要性
転職エージェントは人によって良し悪しが大きく分かれます。会社は同じであっても、良い転職エージェントもいれば、悪い転職エージェントがいる場合もあります。もし、悪い転職エージェントと転職活動を進めると以下のような事態が発生する可能性があります。
企業とのミスマッチにより早期離職につながる
悪い転職エージェントにより、自分に合わない企業・職種を紹介されてしまい、運よく選考を通過したとしても、入社後にギャップを感じて早期離職につながる場合があります。
一度入社してしまうと退職するにも時間と勇気が必要となり、大きな負担となります。次の転職活動を行う必要があるため、時間と費用が再び必要になります。また、ジョブホッパー(職を転々とする人)と評価され、転職活動で不利になるリスクもあります。
転職活動が長期化する
なかなか自分に合った求人を紹介してくれない、選考対策のアドバイスをくれない、といった場合、必要以上に転職活動が長期化するリスクもあります。
転職活動は現職と並行して実施することが多いため、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。面接などをたくさん行えば、会社への交通費も必要となり、金銭的な負担も大きくなります。また、疲労により現職への影響が発生する可能性もあります。
このような負担を抱えた結果、結局、転職を諦めてしまうということもあり得ます。
自己実現ができない
転職活動は、理想的なキャリア・ライフプランを実現するための手段です。悪い転職エージェントに引っかかり、適職に転職できないと将来的なキャリアプラン・ライフプランも歪められてしまう可能性があります。特に人に対して強く言えない、気を遣ってしまうという方は、転職エージェントの言いなりになってしまうこともありますので、注意が必要です。
悪い転職エージェントの見極め
悪い転職エージェントには以下のような特徴があります。
転職ありきで求人を勧めてくる
現職でのキャリアアップなど他の選択肢を提案せず、転職を前提として求人を勧めてくるような転職エージェントは、あまり良くない場合があります。例えば、以下のケースに当てはまる場合は要注意です。
- あなたの理想のキャリアプラン・ライフプランを聞かずに、いきなり求人を紹介してくる
- 経歴・スキルにばかり着目した求人ばかりを紹介する
- 現職でのキャリアアップ、起業、副業など転職以外の選択肢は排除する
- いきなり数十件の求人を紹介し、応募させようとする(質よりも量を重視)
業界・業種や企業への知識・情報が不十分
業界・業種や企業への知識・情報が不十分なまま、求人を紹介してくるような転職エージェントもあまり良くない場合があります。特に、公開されていない情報で、どのような業務を行うか、どのような人材が活躍しているか、転職した人はどの程度の年収を実現したかといった知識・情報を持っているかが重要となります。例えば、以下のケースに当てはまる場合は要注意です。
- 公開されている情報しか教えてくれない
- 企業の業務内容・カルチャーについて聞いても答えられない
- 一人で幅広い業界を担当している
- 他の専門知識を有するエージェントと情報連携できていない
スキルだけに着目し、カルチャーフィットを見ない
転職において大切なことは、企業が求めるスキルを満たすだけではなく、その企業のカルチャーにフィットすることも大切です。経歴やスキルだけを見て、その人のキャラクターが企業にフィットするかを評価しない転職エージェントについては要注意です。逆に、この企業は社風が合わないとはっきり言ってくれるような転職エージェントは、良い転職エージェントであると考えられます。
企業側との意思疎通ができていない
転職エージェントが企業ときちんと意思疎通ができていない場合も、ミスマッチを生じさせる原因となるため、転職エージェントを見直す余地があります。例えば、以下のような場合に注意が必要です。
- 転職エージェントに伝えた内容が企業に伝わっていない
- 転職エージェントが企業側の選考状況、求める人物像を正しく理解していない
- 転職エージェントに対して行った質問について適切な回答が返ってこない
転職エージェントは多数の企業をクライアントとして抱えているため、一つ一つの企業とのやり取りが疎かになってしまうことはあります。しかし、その度合いがあまりにもひどい場合は、転職エージェントを見直しても良いかもしれません。
選考対策が抽象的
転職エージェントの役割の一つに選考対策に関するアドバイスがありますが、そのアドバイスが抽象的な内容であることが多い場合も悪い転職エージェントである可能性があります。抽象的というのは、どの企業の面接においても求められる共通のポイントしかアドバイスしないということです。例えば、以下のようなケースに注意が必要です。
- 選考に落選した場合、落選理由を企業に聞いていない
- 落選理由を正直にフィードバックしてくれない
- あなたのキャラクターを理解した上でのアドバイスを行ってくれない
転職エージェントによっては耳が痛くなるようなフィードバックを行う場合もありますが、何がダメかを具体的に伝えてくれる転職エージェントの方が信頼できます。
転職エージェントを有効活用するコツ
転職エージェントを効果的に活用し、理想通りの転職を実現するには以下を意識しましょう。
希望条件を伝える
業界・業種、給与、勤務地、働き方など希望条件を具体的に伝えましょう。もちろん希望条件がすべて実現できるとは限らないため、各条件については優先順位も明確にしておくことが望ましいです。
希望条件を明確に伝えておくことで、転職エージェントもむやみに求人を紹介することはなくなります。
正直に意思を伝える
自分の希望と異なる求人を提示された場合は、気を遣わずにはっきりと断るようにしましょう。自分の希望と合わない企業の選考を受けても時間の無駄ですし、仮に内定が出てしまうと辞退するのにも精神的な負担がかかります。断る場合は、何が希望に合わなかったかをきちんと伝えることで、転職エージェントは次の求人を探す参考情報とすることができます。
複数の転職エージェントを利用する
転職エージェントを複数利用することもおすすめです。いきなり自分に合った転職エージェントと巡り合うことは少ないです。そのため、複数社(2~3社)の転職エージェントに登録し、自分と相性の良い転職エージェントを見つけるようにしましょう。
ただし、あまりにも多い転職エージェントとやり取りすると、大変なので2~3社に絞ることをおすすめします。
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第二新卒で未経験の求人に応募する場合は、業界・業種に関する知識がないことがほとんどです。そのため、業界・業種の知識を有する転職エージェントに相談することが大切です。
まとめ
以上、悪い転職エージェントの見極める5つのポイント、転職エージェントを有効活用するコツについて解説して参りました。
悪い転職エージェントについてご紹介しましたが、転職エージェントを有効活用することで効率的に理想の求人に出会うことができます。そして、本当に自分に寄り添ってくれるような転職エージェントも多数存在します。
なので、自分に相性の良い転職エージェントをしっかり見極め、転職活動を進めましょう。
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