フリーランスの概要、種類、職種、メリット、年収、働き方、案件獲得方法、知っておきたい”フリーランス保護新法”について

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「会社に縛られず、自分のスキルや経験を活かして自由に働きたい!」そんな風に思ったことはありませんか?近年、働き方の多様化が進み、フリーランスという働き方が注目を集めています。場所や時間に縛られず、自分のペースで働けるフリーランスは、まさに理想の働き方と言えるかもしれません。

しかし、フリーランスになるには、どのような準備が必要なのでしょうか?また、どんな仕事があり、どれくらいの収入が期待できるのでしょうか?さらに、2024年11月から施行される「フリーランス保護新法」についても知っておく必要があります。

この記事では、フリーランスの概要から種類、職種、メリット・デメリット、年収、働き方、案件獲得方法、そして「フリーランス保護新法」まで、フリーランスに関する情報を網羅的に解説します。フリーランスという働き方に興味がある方、これからフリーランスを目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

フリーランスの概要

フリーランスとは、「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」を指します。

近年、フリーランスの人口、企業側のニーズは増加しており、

働き方の多様化

近年、個人の価値観が変化し、会社に所属するより、自由な働き方やワークライフバランスを重視する人が増加し、その選択の一つとしてフリーランスを選択する人が増加しています。また、企業が副業を解禁し始め、会社に所属しながらもフリーランスとして働くことができる環境が整いました。

また、コロナ禍をきっかけにリモートワークが普及し、場所にとらわれずに働ける環境が整ったことで、フリーランスとして働きやすくなったことも背景としてあります。

企業側の人材確保のニーズ

企業目線では、労働人口が減少する中で企業内で人材不足が発生しています。特にIT業界では、2030年にIT人材が45万人不足すると予測されています。

このような状況下で、必要な時に必要な人材を確保できるフリーランスの活用が進んでいます。長期的に正社員を雇用する場合と比較して、コストやリスクを抑えることができる場合もあります。

また、フリーランスの中には専門性の高い人材もおり、自社にないスキル・ノウハウを補い、即戦力として活用することもできます。

フリーランス人口

全体

国内のフリーランスの人口は、調査主体やフリーランスの定義によって大きく異なっていますが、広義では1,500万人近くのフリーランスがいます。

調査主体定義人口調査期間
総務省「令和4年就業構造基本調査」実店舗がなく、雇人もいない自営業主又は一人社長であって、その仕事で収入を得る者のこと257.4万人
本業のみ:202.9万人
本業及び副業:6.4万人
副業のみ:48.0万人
令和4年10月1日
内閣官房による統一調査①自身で事業等を営んでいる
②従業員を雇用していない
③実店舗を持たない
④農林業従事者ではない
462万人
本業:214万人
副業:248万人
2020年2月10日~3月6日
ランサーズ「新・フリーランス実態調査 2021-2022年版」以下4つのタイプに該当する人材1,577万人2021年9月30日~10月4日
①副業系すきまワーカー424万人
②複業系パラレルワーカー356万人
③自由業系フリーワーカー297万人
④自営業系ワーカー500万人

他の雇用形態と比較すると、2022年段階でフリーランスは派遣社員よりも多くなっています(総務省の調査に基づく場合)。

総務省「労働力調査」「令和4年就業構造基本調査」

収入別フリーランス人口

年収別では、年収100万円未満のフリーランスが多くなっていますが、主婦や学生など、スキマ時間を使ってフリーランスとして活動している者もいるからだと考えられます。本業フリーランスに関しては、ボリュームゾーンとしては年収300~399万円だと考えられます。

総務省「令和4年就業構造基本調査」

年齢別フリーランス人口

年齢別では、45~54歳がボリュームゾーンです。これは、20歳代、30歳代である程度経験を積み、スキルを身につけた労働者がフリーランスとして独立したということが考えられます。

総務省「令和4年就業構造基本調査」

フリーランスの種類

フリーランスには、大きく分けて独立系フリーランスと副業系フリーランスが存在します。

独立系フリーランスは、企業や組織に属さず雇用関係を持たず、都度企業と契約(請負契約、準委任契約など)の上、業務を行います。法人経営者、個人事業主、すきまワーカーなどが存在します。

副業系フリーランスは、主となる企業や組織に雇用されながら、空いた時間を使って他の企業と契約(請負契約、準委任契約など)の上、業務を行います。

独立系フリーランス(雇用関係なし)

企業や団体に雇用されることなく、完全に独立した立場で自身のスキルや知識を提供し、対価を得る働き方のことです。以下のようなメリット・デメリットが存在します。

メリットデメリット
働く時間や場所、業務内容を比較的自由に決めることができる

経験やスキル次第でサラリーマンよりも高収入を実現できる可能性がある

様々な業界・企業と関わることで、幅広い人脈を形成することができる
案件が途絶えると、収入が不安定になりやすい

社会保障が手薄になる

人間関係が希薄になり、孤独を感じる可能性がある

税金や経理などの事務処理を自身で行う必要がある

副業系フリーランス(雇用関係あり)

副業系フリーランスとは、企業などに雇用されながら、本業の勤務時間外や休日に、フリーランスとして別の仕事を行う働き方のことです。以下のようなメリット・デメリットが存在します。

メリットデメリット
本業の収入があるため、安心してフリーランス活動をできる

副業で本業とは異なる分野のスキルを身につけ、キャリアアップにつなげられる

手厚い社会保障、福利厚生を受けることができる
本業と副業の両立は体力的・時間的に負担がかかる

副業に集中しすぎて、本業に支障が出る可能性がある

副業の収入が一定額を超えると、確定申告が必要になる

フリーランスの職種

フリーランスの職種は非常に多岐に渡ります。厚生労働省が実施したフリーランスの業務及び就業環境に関する実態調査では、以下のような職種が回答者の属性として集計されています。

特に事務作業系、教育系、クリエイティブ系、コンサルティング系、ITエンジニア系の職種が多くなっています。

具体的な仕事内容(産業別)回答者数
データ入力、文書入力、テープ起こし、反訳147
講師、インストラクター124
デザイン制作、コンテンツ制作112
調査、研究、コンサルティング96
ライティング、記事等執筆業務88
添削、校正、採点81
アプリやシステムの設計、ソフトウェア開発、SE68
ウェブサイトの作成・管理64
その他(専門業務関連)62
映像・画像・音楽制作、編集61
営業56
建設、現場作業55
プログラミング作業54
取引文書作成51
建築設計、土木設計、測量技術49
翻訳46
自動車・トラックによる運輸、配送、配達46
広告・チラシ作成45
税務・法務等行政専門サービス45
伝票書類整理44
アニメーター、イラストレーター42
機械設計、電気技術、電気設計40
製造、組立、生産工程40
ソフトウェアのバグチェック31
バイク・自転車・徒歩による配送・配達31
その他(事務関連)29
ネーミング、コピーライター28
接客サービス28
楽器演奏、歌唱25
情報検索、計算処理22
清掃、メンテナンス21
農林水産業関連20
その他(IT関連)19
コールセンター、問合せ対応業務18
その他(デザイン・映像制作関連)17
カメラマン16
オペレーター業務、テクニカルサポート16
通訳15
整備、点検、修理15
その他(現場作業関連)14
俳優、女優、モデル13
その他(生活関連サービス)13
あん摩マッサージ指圧、針灸、柔道整復、マッサージ11
医療関連サービス8
飲食サービス(調理・給仕)8
日用品・食料品の販売7
理容師、美容師7
エステ、ネイル4
スタイリング、着付け、メイクアップ2
ペット関連サービス2
育児・介護サービス1
厚生労働省「フリーランスの業務及び就業環境に関する実態調査」

事務作業系

フリーランスの事務作業系の職種は、企業や個人事業主のバックオフィス業務をサポートする仕事です。リモートワークでできるものが多く、時間や場所に縛られずに働けるのが魅力です。求められるスキルもそれほど高くはないので、比較的取り組みやすいです。

業務内容

業務内容の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • データ入力
  • 文書作成
  • 書類整理
  • 添削・採点
  • 経理業務

期待されるスキル

期待されるスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • PCスキル
  • コミュニケーションスキル
  • 正確かつスピーディーな作業

教育系

フリーランスの教育系の職種は、自身の専門領域でオンライン・オフラインで講師・インストラクターとして活動します。教える内容としては、小中高・大学の科目指導、語学、プログラミング、ビジネススキルなど多岐にわたります。専門領域によっては他との差別化がしやすく、高収入を実現できる可能性があります。

業務内容

業務内容の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 教材作成、編集
  • オンライン・オフラインでの講義
  • 受講生へのアドバイス
  • 広報活動

期待されるスキル

期待されるスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 担当する講義の専門知識、資格
  • 指導力
  • コミュニケーション能力
  • 企画力・編集力

クリエイティブ系

フリーランスのクリエイティブ系の職種は、デザイナー(グラフィック、Web、UI/UX)、イラストレーター、ライター、編集者、動画クリエイター、フォトグラファー、音楽家など非常に多岐にわたります。個人の才能やスキルを活かせる一方で、競争も激しいため、自己プロデュース力や営業力も求められます。

業務内容

業務内容の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 各種デザイン
  • ライティング
  • 映像・写真の撮影・編集
  • 音楽の作詞・作曲・編曲

期待されるスキル

期待されるスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 専門領域における知識・技術
  • 新しいアイデアを生み出す創造力
  • コミュニケーション能力
  • 自己プロデュース力・営業力

コンサルティング系

フリーランスのコンサルティング系の職種は、経営コンサルタント、ITコンサルタント、人事コンサルタント、キャリアコンサルタント、ファイナンシャルプランナーなど多岐にわたります。企業向けのコンサルティングにおいては専門性の高い知識・スキルが求められるため、高い収入も期待できます。一方で案件を獲得するための営業力も必要とされます。

業務内容

業務内容の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 経営戦略の策定
  • プロジェクトマネジメント支援
  • 業務改善・組織変革
  • 調査・分析

期待されるスキル

期待されるスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 専門領域における知識
  • 問題解決能力
  • 分析能力
  • コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力
  • 営業力

ITエンジニア系

フリーランスのITエンジニア系は、企業・個人からのIT関連のプロジェクトに関する依頼を受けて作業を行います。職種としては、システムエンジニア、プログラマー、Webデザイナー、Webディレクター、データサイエンティストなど多岐にわたります。専門性が求められる案件が多く、高収入を得られる可能性も高いですが、常に最新技術動向をキャッチすることが期待されます。

業務内容

業務内容の例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • アプリケーション・サービス開発
  • テスト・デバッグ
  • システムの保守・運用・監視
  • プロジェクトマネジメント

期待されるスキル

期待されるスキルとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • プログラミングスキル
  • データベース、インフラなどITに関する知識
  • コミュニケーション能力
  • スケジュール・タスク管理能力

フリーランスのメリット

自由で柔軟な働き方ができる

フリーランスの最大の特徴は、自由で柔軟な働き方ができるということです。

サラリーマンの場合、会社のルールに従い労働条件が決められますが、フリーランスの場合、比較的自由に働く場所、時間を決めることができます。業務内容もスキルや経験次第ですが、自分の取り組みたいテーマで働くことができます。

また、フリーランスの場合案件ごとに契約を締結し、業務に取り組むことが多いので、案件が終了すれば長期休暇を取ることもできます。

高収入を実現できる可能性

スキルや経験次第ですが、フリーランスの場合、高収入を実現できる可能性があります。

会社員の場合は固定給が定められており、かつ、昇給の機会も限られているため、収入を上げることが難しいです。フリーランスの場合、案件ごとに単価が定められており、スキルを磨いて高単価案件をこなすことで高収入を実現できる可能性があります。

また、フリーランスの場合、クライアント企業から得られる報酬の大半が収入として手元に入ってきます。

フリーランスの年収

全体

2023年10-11月のフリーランス協会の調査によると、フリーランス全体の平均年収は200~400万円未満が26.8%と最も多くなっています。但し、こちらのデータは専業・副業のフリーランス双方を含むため、全体的に年収が少なくなっています。

フリーランス協会「フリーランス白書2024」

少々古いデータですが、2019年10-11月のフリーランス協会の調査によると、年間の就業時間が140時間以上のフリーランスに関しては年収400~600万円が22.7%と最も多くなっています。また、年収1,000万円以上が18.9%となっています。

フリーランス協会「フリーランス白書2020」

職種別

職種別にみると、年収400万円以上の割合が最も多いのは、77.0%でエンジニア・技術開発系です。また、コンサルティング系も76.1%とほぼ同じ割合となっています。

フリーランス協会「フリーランス白書2023」

フリーランスの働き方

フリーランスの働く場所は、時間や場所に縛られないという働き方の特徴から、比較的自由に選択することができます。

日本政策金融公庫「フリーランスの実態に関する調査」によれば、フリーランスの働く場所として自宅の居室が61.1%と最も多いです。

日本政策金融公庫「フリーランスの実態に関する調査」

在宅ワーク

フリーランスの働く場所で最も多いのが在宅ワークです。

在宅ワークは通勤時間ゼロなので、時間を有効活用することができます。また、自由な服装・環境でリラックスして働くことができるというメリットもあります。また、家賃はもちろんかかりますが、オフィス代を節約することができます。

一方で、在宅ワークではオンとオフの切り替えが難しいという特徴があります。自宅の環境によっては集中ができない場合もあります。また、周りに人がいないことが多いので、孤独感を感じる可能性もあります。

コワーキングスペース

コワーキングスペースを利用する方法もあります。

コワーキングスペースであれば、Wi-Fiや電源、プリンターなど、仕事に必要な設備が整っているので、不自由なく働くことができます。クライアントとの打ち合わせが発生する場合は会議室などを利用することもできます。また、他のフリーランスとの交流機会もあります。

一方で、コワーキングスペースの場合、利用料金が必要となります(最低でも月1万円以上)。また、場所によっては混雑する可能性もあります。

アントレサロンは3つのプランから選べるレンタルオフィス・コワーキングスペースです。

  1. バーチャルオフィス(月3,800円):来客対応・住所利用・郵便受取・会議室利用
  2. フリーデスク(月9,505円):上記に加え、全施設のフリーデスク・オープンラウンジが利用可能
  3. 個室(月50,000円~):上記フリーデスクプランの内容に加え、自分専用個室あり

ノマドワーク

上記の他、ノマドワーカーとして、特定のオフィスや場所に縛られず、カフェ、コワーキングスペース、図書館、または旅先など、様々な場所で移動しながら仕事をする働き方もあります。働く時間や場所を自分で決めることができるフリーランスならではの働き方です。

業務内容にもよりますが、国内外を問わず、様々な場所で働くことができます。様々な場所や人との出会いを通じて、新しい発想やアイデアを得ることもできます。近年では、ワーケーションという「ワーク(Work)」と「バケーション(Vacation)」を組み合わせた言葉で、観光地やリゾート地などで、休暇を楽しみながら仕事をする新しい働き方も増えてきています。

このように普段とは異なる環境で仕事をすることで、気分転換になり、ストレス軽減や集中力向上につながります。

フリーランスの案件獲得方法

フリーランスとして働いていくには、継続的に案件を獲得していく必要があります。

以下、案件獲得のための代表的な方法をご紹介します。

フリーランス向けの案件紹介サービスの活用

最も効率的な方法が、フリーランス向けの案件紹介サービスを利用することです。

クラウドワークスクラウディアなどクラウドソーシングサービスに登録することで、自身の希望する案件を探すことができます。また、一つではなく、複数のサービスに登録することで、案件の選択肢の幅が広がります。

過去のクライアントや知人に紹介を依頼する

過去のクライアントや知人からの紹介で案件を獲得する方法もあります。

過去にお付き合いのあるクライアントや同僚などは、ある程度スキルや経験を理解してくれていることが多いので、スムーズに案件を受注できます。そのためには、サラリーマンからフリーランスとなった後も人脈を維持し、信頼関係を築いていくことが重要となります。

ビジネス系SNSで人脈を広げる

LinkedInWantedlyなどのビジネス系SNSを活用し、人脈を広げる方法もあります。

ビジネス系SNSで情報発信を行うことで、企業や他のフリーランスとのつながりをつくることができます。このように人脈を広げることで、案件の紹介や直接の依頼に繋がる可能性があります。

勉強会や交流会に参加する

勉強会や交流会に参加することでも人脈を広げることができます。

自分自身の専門領域の勉強会や交流会に参加することで、同じ業界の人たちと知り合い、情報交換や人脈形成ができます。そこから案件の紹介や共同プロジェクトの話が生まれることもあります。

主な案件紹介サービス

クラウディア

クラウディアは株式会社エムフロが運営するシステム手数料業界最安水準のクラウドソーシングサービスです。

運営会社株式会社エムフロ
本社所在地東京都渋谷区東3-13-11 A-PLACE恵比寿東 4階
サービスページクラウディア
求人数6,583件(2024/6/16時点)

クラウディアでの受注方法は以下の3通りあります。

  1. 選んで受注する(クラウドソーシング):クライアントが公募している案件に応募し、仕事を受注
  2. 選ばれて受注する(スキルシェア):自身のスキルを登録し、仕事を受注
  3. オファーを待つ(クラウディアPRO):自身の経歴・スキルを登録し、マッチする業務のオファーを受ける

クラウディアのシステム手数料は業界最安水準であるため、比較的高額の報酬を得ることができます。

クラウドワークス

クラウドワークスは、株式会社クラウドワークスが運営する会員数480万人の国内最大級のクラウドソーシングサービスです。

運営会社株式会社クラウドワークス
本社所在地東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー6階
サービスページクラウドワークス
求人数446,351件(2024/6/16時点)

ライティング、データ入力、ロゴ作成、動画制作・編集、システム開発等250種類以上の仕事から選択することができます。在宅ワークが可能な仕事も豊富にあるため、家事・育児に忙しい方でも取り組みやすいです。

仕事を開始する前に仕事の依頼主より仮払いを行う「事前仮払い」の制度があるため、仕事が完了すれば、確実に報酬を受け取ることができます。

ワーカー限定に以下のようなサポートを提供しており、フリーランスでも安心して働くことができます。

  • お仕事サポート:確定申告から法律相談などのサポート
  • スキルアップ支援:クラウドワークスが運営する「みんなのカレッジ」始め、仕事に必要なスキルアップの講座やセミナー、勉強会
  • ライフサポート:ベビーシッターや保険、トラベル・レジャーなどの各種サービスをお得に利用できる

知っておきたい”フリーランス保護新法”とは

フリーランス保護新法は、2023年4月に可決され、2024年11月に施行予定の法律です。正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」で、フリーランスの保護を目的としています。

背景

フリーランス保護新法が施行される背景としては以下の事情があります。

フリーランスの増加

上記の通り、働き方の多様化によりフリーランス人口が増加しており、フリーランスとして働く場合の法律関係を明確にする必要がありました。

不安定な取引

また、フリーランスは、企業との契約において不利な立場に置かれやすく、報酬の不払い、契約内容の不透明さ、ハラスメントなどの問題を抱えているケースが多くありました。

令和4年度フリーランス実態調査結果によれば、約37%のフリーランスが以下のような発注者からの納得できない行為を受けたとの回答をしています。最も多いのは、「報酬の支払いが遅れた・期日に支払われなかった」ことです。

発注者からの納得できない行為割合
報酬の支払いが遅れた・期日に支払われなかった11.8%
あらかじめ定めた報酬を減額された8.5%
市価などと比較して著しく低い報酬を不当に定められた3.8%
注文された物品等の受取りを拒否された1.6%
納入した物品等を返品された1.1%
発注者が指定する物(備品、原材料等)、サービス(有料セミナー、研修等)を強制的に購入・利用(受講)させられた1.4%
不当に協賛金などの金銭や、契約内容にない労務等を提供させられた1.5%
発注者の都合で、やり直しや追加作業を行ったにもかかわらず、それに伴う追加費用を負担してもらえなかった6.3%
その他の納得できない行為があった1.2%
特に受けたことはない77.0%
令和4年度フリーランス実態調査

また、同じ調査で、発注者からの納得できない行為に対してどのように対応したか、という質問に対して32.6%が「そのまま受け入れた」と回答しています。さらに「交渉したが改善されないまま受け入れた」と回答した割合が25.9%と半数以上のフリーランスが発注者からの納得できない行為を受け入れています。

対象者・対象取引の定義

用語定義
業務委託事業者がその事業のために他の事業者に
①物品の製造(加工を含む)又は情報成果物の作成を委託すること
②役務の提供を委託すること(他の事業者をして自らに役務の提供をさせることを含む)
特定受託事業者業務委託の相手方である事業者であって、次のいずれかに該当するもの
①個人であって、従業員を使用しないもの
②法人であって、一の代表者以外に他の役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役またはこれらに準ずる者をいう)がなく、かつ、従業員を使用しないもの
業務委託事業者特定受託事業者に業務委託をする事業者
特定業務委託事業者業務委託事業者であって、次のいずれかに該当するもの
①個人であって、従業員を使用するもの
②法人であって、二以上の役員があり、または従業員を使用するもの
報酬業務委託事業者が業務委託をした場合に特定受託事業者の給付(役務の提供をすること)に対し支払うべき代金

内容

フリーランス保護新法は、主にフリーランスに仕事を発注する事業者(委託者)に対して、以下の義務を課しています。

書面による契約の締結

発注者からフリーランスに業務委託を行う際、業務内容、報酬、支払い時期などを明記した書面を交付する義務があります(フリーランス保護新法3条1項)。口頭での契約は認められません。

  • 給付の内容
  • 報酬の額
  • 支払期日
  • 公正取引委員会規則が定めるその他の事項

④に関しては、今後の規則の制定により明らかにされます。

60日以内の報酬の支払い

発注者はフリーランスに対して、原則として、成果物の納品後60日以内に報酬を支払う必要があります。

ハラスメント対策

委託者には、ハラスメント防止のための体制整備が義務付けられます。

不当な行為の禁止

報酬の不払い、一方的な契約解除、威圧的な言動など、フリーランスに不利益を与える行為が禁止されます。

情報提供

委託者は、フリーランスに対して、必要な情報を提供する義務があります。

まとめ

フリーランスは、時間や場所に縛られず、自分のスキルや経験を活かして自由に働ける魅力的な働き方です。ITエンジニア、デザイナー、ライター、コンサルタントなど、様々な職種があり、自分の得意分野で活躍することができます。

しかし、フリーランスになるには、自己管理能力や営業力など、様々なスキルが必要となります。また、収入が不安定になる可能性もあるため、事前にしっかりと準備をすることが大切です。

2024年11月からは、フリーランスを保護するための新しい法律「フリーランス保護新法」が施行されます。この法律によって、フリーランスの労働環境が改善されることが期待されています。

この記事で紹介した情報を参考に、フリーランスという働き方を検討してみてください。あなたのスキルや経験を活かして、新しいキャリアを切り開くことができるかもしれません。

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