マネジメントにおいてはいかにメンバーのやる気を高めるかが重要になります。そのため、メンバーに対するマイクロマネジメントは好ましくありません。マイクロマネジメントとは、メンバーの業務について過度に細かく指示を出し、頻繁に確認を行うことです。
「デキる社員の100のコンピテンシー」では、マインドセットとスキルセットに分けて、どのような時代、どのような場所においても通用するコンピテンシーを紹介しています。
マインドセットでは、仕事に対する考え方や信念、価値観などの、思考や行動の基盤となる心の持ち方を解説しています。また、スキルセットについては、仕事を遂行するために必要な能力・技術を解説しています。
なぜマイクロマネジメントはダメなのか?
マイクロマネジメントは以下の理由で望ましくはありません。
- メンバーのモチベーションが低下する
- メンバーの成長を阻害する
- リーダー・マネージャーの負担が増大する
メンバーのモチベーションが低下する
マイクロマネジメントを行うと、メンバーの自律性が失われ、仕事に対するモチベーションが低下します。
メンバーの作業に対して常にリーダーが監視し、指示を出してしまうと、メンバーは「信頼されていない」「能力が認められていない」と考えてしまいます。結果として、自発的に行動するモチベーションが低下してしまいます。そして、仕事に対する責任感も低下して指示を待つだけになってしまいます。
メンバーの成長を阻害する
また、自分で考え行動する機会が失われるため、メンバーは成長することもできません。
リーダーが作業に対して細かく指示を出してしまうと、メンバーはその通りに行動するだけになり、自分で考え工夫するということがなくなってしまいます。指示がなければ不安になってしまい、自ら新しいこと、難しいことに挑戦することもできなくなり、経験を通じて学ぶこともできなくなります。結果として、メンバーは限られた業務、スキルの範囲の中でしか成長することができません。
リーダー・マネージャーの負担が増大する
マイクロマネジメントは、結果としてリーダー自身の負担を増やしてしまうことになるので、チーム全体の生産性を低下させることにもなります。
メンバーは常にリーダーの指示に依存してしまい、リーダーなしでは行動できなくなってしまいます。リーダーも常にメンバーの行動に注視している必要があるため、時間を取られてしまいます。結果として、リーダー自身の重要な仕事をする時間も減ってしまい、労働時間が増えてしまいます。
マイクロマネジメントを行わないための方法
マイクロマネジメントを行わないためには以下を意識することが大切です。
- スキル・経験に応じて仕事を与える
- メンバーに裁量を与える
- 報告のタイミング・ルールを定める
スキル・経験に応じて仕事を与える
マイクロマネジメントになってしまう原因は、「メンバーがきちんと仕事をできないのでは」という不安です。そのため、メンバーのスキル・経験に応じて、努力すれば、確実にこなせる業務を与えることが大切です。
「仕事を任せても大丈夫」という安心感を得ることでマイクロマネジメントを防止することができます。注意が必要なのは、簡単すぎる業務を任せてはいけないということです。簡単すぎる業務は、逆にメンバーのモチベーションを低下させる場合もあります。
メンバーに裁量を与える
作業の進め方にはメンバーの裁量を与えることが重要です。
一つ一つの作業に対して自身のやり方を押し付けるのではなく、メンバーに任せてみます。もし、作業の方向性が間違っていたり、非効率になっていたりする場合は、改善点をフィードバックしながら、メンバー自身が作業を見直すように促します。
報告のタイミング・ルールを定める
報告のタイミング・ルールを定めることでもマイクロマネジメントを防ぐことができます。
たとえば、「報告のタイミングは4時間に1回」「朝会・夕会で報告」などと定めることで、こまめに監視する必要もなく、定期的に報告が上げられます。また、ルールに関しては「作業に迷ったらすぐ報告」と定めておくことで、メンバーの自発的な報告を期待できます。大切なことはリーダーから報告を求めるということがないようにすることです。
まとめ
マネジメントの基本は、いかにメンバーに任せられる部分を増やすかです。リーダー自身が指示をしたり、サポートしたりする範囲を徐々に減らしていくことが大切です。そのため、マイクロマネジメントではなく、部下を信頼し、裁量を与えるマネジメントを心がけましょう。
「デキる社員の100のコンピテンシー」では、マインドセットとスキルセットに分けて、どのような時代、どのような場所においても通用するコンピテンシーを紹介しています。
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