辞めたくても辞めさせてくれない! | ヤメハラの事例と対処法

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労働者は、原則2週間前までに退職の申し出をすれば、いつでも会社を辞めることができます。一方で、近年、退職する人に対するいやがらせ”ヤメハラ”が問題視されています。ヤメハラに遭うと、精神的苦痛を受けるだけでなく、会社を辞められない場合もあります。

本記事では、ヤメハラの事例を紹介した上で、その対処法について解説していきたいと思います。

目次

ヤメハラとは

ヤメハラとは、退職を申し出た従業員に対して行われるいやがらせ行為のことです。ヤメハラには、退職をさせない、退職者に仕事を与えない、退職者に厳しい言葉を投げかけるといったものがあります。近年、パワハラ、セクハラなどハラスメントに対する社会的な関心が高まり、ヤメハラに関しても問題視されるようになってきています。

株式会社ワークサポートの調査では、「スムーズに退職できたか」という質問に対して、退職経験者の多くは「かなりそう思う」「ややそう思う」と回答していますが、2割近くは「あまりそう思わない」「まったくそう思わない」と回答しています。

スムーズに退職できたか?

このように多くはないものの、退職時に何かしらのトラブルを抱えている方は一定の割合存在しており、その中にヤメハラも含まれていると考えられます。

ヤメハラの原因

そもそも、なぜヤメハラは起こってしまうのか、以下の要因が考えられます。

人材流出を防ぎたい

近年、多くの企業が人手不足に悩んでおり、そのような企業はできるだけ退職者を出したくないと考えます。そのため、できるだけ退職を申し出た人の引き止めを行わおうとします。そのような行為がエスカレートしてしまい、嫌がらせに該当してしまうケースがあります。

企業文化

仲間意識や愛社精神が強い企業文化を持つ会社では、ヤメハラが起こりやすいと考えられます。そのような会社では従業員の帰属意識が強く、退職することを「裏切り」と捉え、嫌がらせを行うことがあります。同調圧力も強いため、組織全体で退職することに対して非難される場合もあります。

個人的な感情

一緒に働く上司や同僚の個人的な感情による嫌がらせの場合もあります。たとえば、つらい仕事を一緒に行ってきた上司や同僚は、退職することを「逃げた」「きつい仕事を押し付けられた」と捉え、退職者に対して感情的に非難する場合があります。慢性的に長時間労働が発生している企業では、一人退職した際のダメージが大きく、このような感情が発生しやすい場合があります。

退職者の行動に起因する問題

以下のような退職者自身の行動に起因していやがらせが発生する場合があります。

  • 退職の申し出がギリギリになってしまった
  • 日常的に業務に対して真面目に取り組んでいない
  • 日ごろ、遅刻や無断欠勤が多い
  • 自身の業務の引継ぎをきちんと行っていない
  • 辞めるからといって、自分の業務を他人に押し付ける

退職することは労働者の権利ではありますが、当然ながら上司や同僚に対する配慮が必要になります。

ヤメハラの事例

ヤメハラには、退職妨害、精神的ないやがらせ、業務上のいやがらせがあります。

退職妨害

以下のように退職を申し出た者の退職を妨害するケースがあります。

  • 退職届を受理してくれない
  • 退職届をシュレッダーにかけられた
  • 「退職するなら賠償請求する」と脅された
  • 退職の相談を無視された、はぐらかされた
  • 過度に仕事を押し付けられ、退職できなかった(退職日を延期させられた)

精神的ないやがらせ

以下のように退職を申し出た者に対して精神的ないやがらせを行うケースがあります。

  • 退職を申し出た途端、上司や同僚に無視されるようになった
  • 「業界で働けなくしてやる」と脅された
  • 「裏切り者」「不誠実」といった陰口や悪口を言われた
  • 退職理由を過度に追及された

業務上のいやがらせ

以下のように退職を申し出た者に対して業務上のいやがらせを行うケースがあります。

  • 退職まで期間があるのに、プロジェクトから外された
  • 退職前に大量の仕事を押し付けられた
  • 仕事の妨害、邪魔をされた
  • 有給休暇の取得を認めてくれなかった

ヤメハラの対処法

退職を妨害された場合

まず、退職を妨害された場合は以下のように対処しましょう。

人事・労務や信頼できる人に相談する

直属の上司に退職届を受け取ってもらえないなど退職を妨害された場合は、企業の人事・労務などに相談しましょう。退職妨害を受けていることを報告し、対処するように依頼を行いましょう。また、より上位の役職者など信頼できる人に相談するのも効果的です。そのような人を味方につけてきちんと注意してもらいましょう。

退職代行サービスを利用する

どうしても辞めさせてくれない場合は、退職代行サービスを利用しましょう。

退職代行サービスとは、会社を辞めたくても会社に言い出せない人や辞めたくても会社が辞めさせてくれない人に代わって、退職に関する作業を代行するサービスです。退職代行サービスを利用すれば、会社に行かずとも退職を行うことができます。労働組合、弁護士が運営するサービスであれば、本人に代わって会社との交渉、残業代の請求なども行ってくれます。

主な退職代行サービス

スクロールできます
サービス代行の種類料金
弁護士法人ガイアの退職代行サービス弁護士退職代行フルサポート:¥55,000(税込)
成功報酬:回収額の20%~30%(残業代・退職金請求)
弁護士法人みやびの退職代行サービス弁護士着手金:¥55,000(税込)
オプション費用:回収額の20%(残業代・退職金請求など)
弁護士ビーノ弁護士¥66,000(税込)
即ヤメ労働組合¥24,000(税込) ※完全後払い制(審査あり)
退職代行ガーディアン労働組合¥29,800(税込)
各社HPより(2023年1月7日最終アクセス)

いやがらせを受けた場合

人事・労務や信頼できる人に相談する

直属の上司や同僚に悪口を言われたりした場合は、人事・労務や信頼できる人に相談の上、注意してもらうようにしましょう。企業によってはコンプライアンス担当部署などがあると思うので、きちんとハラスメントの問題として報告することも大切です。

退職日まで有給休暇を取得する

いやがらせなどは相手にするだけ無駄なので、残っている仕事などがなければ退職日まで有給を取得して、会社には行かないようにしましょう。有給休暇の取得も労働者の権利ですので、会社は取得を拒否することができません。業務に支障がなければ時季変更権も行使できません。

労働基準監督署に相談する

ヤメハラについて労働基準監督署に相談するのも効果的です。全国にある窓口で相談もできますし、電話やメールでの相談も可能です。相談する際は、ヤメハラを受けた証拠があるとよりスムーズなので、発言内容のメモ、録音、メール・チャットの記録などを残しておくことをおすすめします。

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まとめ

以上、ヤメハラの事例と対処法について解説して参りました。

会社を辞めることは労働者の自由ですので、毅然とした態度で退職の意思を貫くことが大切です。いやがらせに対しても相手にせず、退職代行や有給休暇を利用して会社に行かないというのも手です。

精神的にきつい場合は一人で悩まず、人事・労務、信頼できる人、労働基準監督署などに相談しましょう。

主な退職代行サービス

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サービス代行の種類料金
弁護士法人ガイアの退職代行サービス弁護士退職代行フルサポート:¥55,000(税込)
成功報酬:回収額の20%~30%(残業代・退職金請求)
弁護士法人みやびの退職代行サービス弁護士着手金:¥55,000(税込)
オプション費用:回収額の20%(残業代・退職金請求など)
弁護士ビーノ弁護士¥66,000(税込)
即ヤメ労働組合¥24,000(税込) ※完全後払い制(審査あり)
退職代行ガーディアン労働組合¥29,800(税込)
各社HPより(2023年1月7日最終アクセス)
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この記事を書いた人

コンサルティングファームにおいて様々な業界で経験を積み、人材領域で業界の知識を活かしたく、本サイトを運営しております。すべての人が適職で活躍できるような社会を実現するため情報提供をして参ります。

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