手段の目的化を防ぐには | 手段の目的化の原因とその対策

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仕事やプロジェクトを進めていると、「何のためにやっているのか?」「本来の目的は何だったのか?」というように目的を見失うことがよくあります。また、本来目的を達成するための手段であったことが目的になるという「手段の目的化」が発生する可能性があります。仕事やプロジェクトの本来の目的を見失ってしまうと、目的の達成ができないだけでなく、余計なコスト・時間がかかってしまう可能性があります。

本記事では、手段の目的化の原因と手段の目的化を防ぎ、本来の目的を見失わないための対策について解説します。

目次

手段の目的化とは

仕事を進めていると、いつの間にか当初の目的を見失っていたり、目的を達成するための手段自体が目的になっていたりする(手段の目的化)ことがあります。

日本のビジネスシーンで多いのが、会議自体が目的になってしまっているケースです。会議の本来の目的は、何かを意思決定したり、直面している課題を解決したりすることですが、とりあえず会議を開催することが目的になっていることがあります。これでは、多くの人の時間を無駄にするだけでなく、本来の目的が達成できなくなる可能性があります。

また、業務の効率化を目的としてスタートしたプロジェクトが、いつの間にか、システムやAIを導入することが目的になってしまうこともあります。システムやAIの導入はあくまで手段なのですが、本来の業務効率化という目的を見失い、他の選択肢を排除してしまうことがあります。これでは、余計にコストがかかったり、目標としていた効率化のKPIを達成できなくなったりする可能性があります。

手段の目的化の原因

このように目的を見失ってしまう原因としては以下のようなものが挙げられます。

本来の目的が不明確

本来の目的が明確でなければ、目的を達成するという意識が徐々に希薄になってしまいます。たとえば、目的が抽象的すぎたり、達成が難しすぎたりすると、目的達成のための道筋が見えにくくなります。結果として、よりわかりやすく、具体的な手段に固執してしまうのです。

手段を網羅的に検討できていない

手段を網羅的に検討できておらず、特定の手段を唯一のものとして考えると手段が目的になってしまいます。本来、目的を達成するためには、様々な手段を検討し、その中から効果的かつ実現可能なものを選択します。このプロセスをないがしろにしてしまうと、一つの手段に固執してしまうのです。

手段の目的化の対策

目的を見失わないということは、リーダーとしても、メンバーとしても重要な意識です。リーダーはメンバーに対してきちんと目的を伝えて仕事を指示する必要があり、メンバーも与えられた仕事の目的を理解した上で進める必要があります。目的が明確でなければ、誤った方向へと作業が進んでしまう可能性があります。また、何のためにこの仕事をやっているのか分からず、モチベーションの低下にもつながります。

手段の目的化を防ぐには以下のようなポイントが大切です。

定期的な目的の再確認と共有

チーム全体で、定期的にプロジェクトやタスクの目的を振り返り、それが組織全体の目標とどう結びついているのかを確認することが大切です。特に目的や目標を数値で捉えることが大切です。現在の取組で本当に数値目標を達成できるのかを自身・チーム間で見直すことが重要になります。

多様な視点を取り入れる

また、他の手段を排除して一つの手段に固執していないかを確認するため、多様な視点を取り入れることが大切です。プロジェクトに関わりのない外部の社員・メンバーの意見を取り入れることで、今まで検討していなかった手段を発見することができます。そのような外部の意見も取り入れやすいオープンなコミュニケーション環境をつくり上げることも重要なポイントになります。

まとめ

目的を見失わないことは、目的を効率的かつ効果的に達成するために重要になります。目の前の仕事だけに集中するのではなく、「なぜこれをやっているのか?」と本来の目的に立ち返ることを心がけましょう。

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この記事を書いた人

コンサルティングファームにおいて様々な業界で経験を積み、人材領域で業界の知識を活かしたく、本サイトを運営しております。すべての人が適職で活躍できるような社会を実現するため情報提供をして参ります。

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